December 31, 2017

Slovenian Cave / Jebel Barrah

 ワディラム最終日。今日は緊張感なく、ゆっくりと楽しめそうなボルト(スポーツ)ルートに行くことにする。

 そういえば、ハード・マルチのDevils TaleがあるSlovenian Caveのボルト・ルートはまだどれも触っていなかった。様々なレベルのルートがあって、皆で楽しめそうなので、行ってみることにする。

 とりあえず、Devils Taleがあるセクター2へ。ここはスロベニアを代表するクライマーKlemen Becanが拓いたエリアでスラブのボルトルート(7a+~7c)が4本ほどある。


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         <Slovenian Cave Sector2の「Cry and Smile(7b)」>


 到着後、アップをするルートもないので、いきなりCry and Smile(7b)にMOSトライ。

 出だし、小さなカチから自分のスメアリングのみを信じて1本目のボルトにクリップするまでが、いきなりの核心。

 アップもしてないので、落ちるかも(=グランドフォール)しれないとかなり冷や冷やしたが何とか1本目にクリップ。この部分に7bが付いているようなので、あとは落ち着いていけばMOSできるはずだ。

 1本目にクリップしたら、左上気味に登っていくと、ガバ地帯にたどり着き、少しレストできる。

 そこから細かいカチと縦ホールドを駆使して上部の三日月地帯に抜けるまでが本ルートの2番目の核心。

 何度かライン取りに迷って行ったり来たりしたが、無事にムーブを探り出し、何とか7a+がグレーディングされている部分を突破。

 上部の3日月地帯までたどりつけば、あとはなんてことはなく終了点までたどりつける。

 7bをMOS成功。

 スラブの7bをMOSしたのは初めて。素直にうれしい。

 個人的にはオーバーハングした壁よりもスラブの方が止まって落ち着いてじっくり攻められる分、オンサイトするのは得意(?)のような気がする。


 というわけで、1発目で目標ルートはMOSしてしまったので、後はみんなのトップロープのビレイに徹する。7cとプロジェクトライン(Marwanによると8a?)は次回にお預け。


 途中、歩いて5分ほどの隣のセクター1に行って、まだ登ってなかった「Good Morning(6b)」と「Drink Tea +Relax(6b)」をそれぞれMOS。




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            <Sector 1 左のラインが「Good Morning 」右のラインが「Drink Tea」>

 よく考えたら、こっちのエリアでアップしてから7bにトライしても良かった気がする。



 2017年のクライミングは、これにて終了。無事にクライミング納めをMOSで飾ることができた。


 今年もたくさん登ることができました。皆さん、ありがとうござました。


 最後の年越し宴会も盛り上がりました~。


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December 30, 2017

Le3部作 / Barrah Canyon

 今日は昨日の宴会で飲み過ぎたせいか、朝から調子が悪い・・

 昼過ぎにようやっと起きだしてきた我々は、Marwanのお勧めでBarrah山群にあるシングルピッチのクラックで遊ぶことにする。

 車で30分ほど走り、Barrah山群へ。

 お目当てのクラックはちょうどMerlin's Wandの向かい側の壁にある。

 車で取りつきまでは入れないので、途中で車を乗り捨てて徒歩でアプローチ。


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    <土壌が悪すぎて、パジェロでも入れない。途中で車を停めてAbu Iqlakhat渓谷へ向け歩く>

 10分ほど歩けば、きれいに3本、垂直に走ったクラックが現れる。


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   <ワディラムとは思えないきれいな垂直クラック。右からLe Truand(6B+)、Le Brute(6B)、Le Bon(6a+)>


 ワディラムとは思えないくらい、綺麗なクラック。そして長い。シングルピッチとは言いつつも、どれも40mくらいある。70mロープでもトップロープは張れないくらい長い。

 早速、一番右のクラックLe Truand(6B+)にオンサイト・トライ。

 終了点にはピトンも何もないらしいので、自分で終了点を作成できるようカムを多めにもってトップロープを張るためのバックロープも引っ張り、重装備でのトライ開始。



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                                     <Le Truand 6B+>

 出だし、いきなり結構悪い。クラックが閉じているので、指が入るところが限定されているのと、プロテクションがほぼとれないので、出だし5mほどはノープロで登るはめになる。

 中間部、プロテクションはとれるようになるが、.75サイズのカムを多用することになり、あっというまでカムが足りなくなる。クラックはほぼ同じサイズの大きさが上まで続いており、2番より上はほぼ使わない。

 上部は、落ち着いて登れればそれほど難しくないのかもしれないが、結局、カムがなくなり、大胆に攻めることができなくなってしまった。途中、テンションをかけて、慎重にムーブをさぐりながら登る。オンサイトならず。

 このルート、オンサイトトライをする方はぜひ0.5~0.75サイズのカムを3~4セット持ってトライすることをお勧めする(ちなみに終了点を作成する際も、おなじサイズのカムが必要)



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          <Le Truand 6B+をトップロープでトライするKazzi>


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 結局、全員をトップロープで遊ばせているうちに、日が暮れて本日は終了。

 1本しか登れなかったけど、このパラレルクラック3部作は、スケールといい、技術的難度といい、ワディラム随一のクラックエリアであることは間違いない。

 また機会があったらぜひ訪れてみたいものだ。


 夜はまた、Bedouin Campで宴会。

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Posted by straysoldier at 22:30Comments(0) Sport Climbing 

December 29, 2017

Black Magic(5+) / Jabel Rum / Wadi Rum

 今日から年末年始のワディラムツアー。

 パートナーはMarwanに加えて、レバノンから遠征に来たGeorge、Kazzi、Habib、それにノルウェーから遠征に来たEster。

 マルチが初めての者もいるので、今回は簡単なマルチピッチルート、Black Magic(5+)に挑戦。

 ビレッジからRum山を右に回り込むように20分ほど歩くと、ひときわ黒ずんだ壁が眼前に現れる。そこがBlack Magicとりつき。



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                 <Black Magic全景>

 とりつきで取り急ぎ準備。

 今回は6人パーティという大所帯、かつ殆どの者がマルチ初挑戦ということで、1パーティ目の3人を私とGeorgeとEsterで組んで私がオールリード、2パーティ目をMarwanとKazziとHabibが組んでMarwanがオールリードすることにする。


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              <Black Magic 1ピッチ目(4)>

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             <2ピッチ目(5-)>


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              <GeorgeとEster。3ピッチ目取りつきにて>


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                    <Ester>
          

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                  <George>


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               <7ピッチ目(Grey Wall 5)>


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             <Grey WallをフォローするEster>

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                   <7ピッチ目>


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         <8ピッチ目終了点より。遠く彼方にワディラムビレッジを望む>


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           <8ピッチ目をトラバースするGeorge>


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             <9ピッチ目>

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              <10ピッチ目>

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               <11ピッチ目>


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           <11ピッチ目をリードするMarwan>

 オールオンサイトでBlack Magicを終了。

 Black Magicはナチュプロ主体のマルチピッチルートでありながら、難易度もそれほど高くなく、ルートも明瞭。トラッドやマルチ初心者にぜひおすすめの1本だ。


 年末年始のこの時期、ヨルダン人クライマーが大挙してワディラムに押し寄てくる。みんなでベドウィン・クライマーのAbu Yacoubが経営するFox Beduinキャンプに集まり、宴会。

 ガルプというベドウィン料理を食しつつ、ウイスキーを回し飲みして、どんちゃん騒ぎ。

 いつも冷静沈着でおとなしいJamalが、ハシシをやって甲高い笑い声ではじけている。裸で踊りだすやつが居るは、太鼓を狂ったように叩くやつが居るはで、年末年始のワディラムは、まさにカオス。。。
  
Posted by straysoldier at 23:30Comments(0) Multi Pitch Climbing 

December 22, 2017

Sami's Cliff / Ajloun

 今日はLaithを誘って、Sami's Cliff/Ajlounへ。

 ヨルダンに来たばかりの4月頃に一度行ったことがあるが、当時、既に日向は暑くて2本くらいしか登らないですぐに帰った記憶がある。さすがに12月だったら快適に過ごせるだろう。

 前回はかなりの人が居たものの、今回、岩場は貸し切り。

 到着後、まずはエリア中央にある「6a+」でアップ。(Sami's Cliff)の多くのルートはルート名がなく、グレードしかわからないので、とりあえずグレーディング表記のみとする。)

 MOS。



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                 <「6a+」>
 
 出だしから細かいホールドとスタンスを駆使して、垂壁を登っていくルート。

 出だしが核心。

 Laithにはちょっと厳しそうなので、トップロープで登ってもらう。


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                <「6a+」を登るLaith>


 続いて、「6a+」のすぐ左隣にある「6b」にトライ。MOS。


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                     <「6b」>

 こちらも出だし、クラック~フェースに乗り移るところが、結構悪い。


 2本でアップを済ませた後は、いよいよ本日のメインディッシュ、Sami's Cliffの最難課題「7a」にトライ。


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                    <「7a」>

 オーバーハングした出だしから上部はほぼ垂直の壁を頂上までつき上げていく、美しいライン。

 グレードは7aだけにぜひマスターでオンサイトしたいところだ。


 登攀開始。

 出だしはハングの右側部分から始まり、すぐに垂壁地帯に入っていく。

 垂壁地帯下部は意外にホールドが豊富。ボルトに導かれるように左へとトラバースし、カンテに至る前のところで再び、上方向に進路を変える。

 壁の中間部、そこまで順調に来ていたが、突然、ホールドがなくなる。ここから数メートルが核心のようだ。しばらく止まって考える。

 次のボルトは右上方3メートルほどのところ。

 上部2mほどの所を見ると、大きく出っ張った突起のようなものが見え、ガバホールドに見えなくもないが、そこまでのホールドはかなり乏しく、行ったが最後、もしそれがガバじゃなかったり、ライン取りが間違えていたとしても、もとの位置に戻ってくるのは困難に見える。

 一方、レストポイントから右側にも細かいながらもホールドとスタンスが続いており、一度右にトラバースした後に、上方へ登ることも可能そうだ。

 どちらにラインをとるべきか、しばらく悩む。


 ビレイをしているLaithがしびれを切らしてきたので、思い切って右側にラインをとり、登り始める。

 右トラバースは結構悪い。慎重にスタンスとホールドを選び、1メートルほど右にトラバースした後、上方にラインを切り替える。


 どうやら正解だったようだ。無事に次のボルト位置まで到達し、クリップ。

 安定した後、左側を見てみると、さきほど下からみたらガバホールドのように見えた突起は、上側がなだらになっていて、とてもガバと呼べるようなホールドでないことがわかった。


 後は慎重に壁の上部までガバをつないでいき最終ピンにクリップ。MOS成功。


 久しぶりに、ライン取りの読みがあたって爽快なオンサイトクライミングが堪能できた。


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                <「7a」をMOSする私>

 
 その後は、Laithのビレイに徹する。

 帰り際にさらにもう一本、「6b+」をMOSして、本日のクライミングは終了。

 エリア最難も登ってしまったので、もはやSami's Cliffに来ることはないかもしれない。

 でも、日当たりと見晴らし、それに冬なら居心地も良いので、ヨルダンではかなりお勧めのエリアの一つと言えるだろう。


 Laith、本日は付き合ってくれてありがとう!
  
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December 09, 2017

Rasoun / Ajloun

 今週は、先週に引き続きRasounへ。狙いはまだ触っていない「Marcus(7c+)」。

 パートナーはドイツ人のPauline。彼女にとっては初めてのRasounエリアだ。

 到着後、まずはアップでBlood Suckerエリアの「Karbaneh(5C+)」へ。MOS。



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            <「Karbaneh(5C+)」>

 出だしからオーバーハングした壁をガバを利用してグイグイ登っていくルート。アップにはちょうど良い?

 エクステンションで「Karbaneh Extension(7b+)」もあるから、今度、機会があったらそちらを触ってみよう。


 続いて、Redエリアの「Have a nice Flight(6a+)」へ。MOS。

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           <「Have a nice Flight(6a+)」をTRでトライするPauline>

 Redエリアのルートはどれも長く、かつグレードも辛めだと思う。トライする方は慎重に。


 そして、いよいよ本日のメイン、「Marcus(7c+)」へMOSトライ。



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                 <「Marcus(7c+)」>

 MOSトライ。

 出だしは洞窟状ケイブの側壁からオーバーハング地帯を越えていく。

 オーバーハング地帯でいきなりテンション。MOS失敗。

 オーバーハングを越える所のポケットホールドが浅く、かつホールドがないブランクセクションがある。

 しばらくムーブを探り、無理やり力ずくで超えるが、ムーブがいまいち判然としない。


 その後、オーバーハング地帯を越えた後は、しばらくガバが続くが、続いて第2の核心が現れてまたまたテンション。ルートの中間部にあたるここは、右回りに行くか直登していくかの二つの登り方が有り得るが、いずれをとっても持久力を相当使ってしまいそうだ。


 そして、第3の、最後の核心は終了点直下。このパートは、技術的にはさほど難しくないが、ここまでで相当パワーを使っているので、力を残しておかないと超えることができない。

 とりあえず、1時間ほどかけて何とかトップアウト。しかしムーブはいまいち判然としない。
 さすがに7C+だけあって、簡単には登らせてくれそうもない。

 とりあえず、ムーブ探りの2便目を出して、本日は終了。

 また、次の機会に頑張ります!

 Pauline、本日は付き合ってくれてどうもありがとう!^^
  
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December 05, 2017

色んなナンバープレート in Jordan

 ヨルダンに来て、はや半年以上が経つが、ヨルダンの道路には様々なナンバープレートを付けた車が走っていて面白い。

 島国である日本では、日本のナンバープレート以外の一般車を見ることはほとんどないが、中東の「へそ」に位置するヨルダンには、陸続きの色んな国からの車が流れ込む。



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                <これはUAE(ドバイ)>

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                 <これはクウェート>



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          <これはレバノン(右端にアラビア語で「レバノン」と書いてある>


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          <これはサウジアラビア(KSAはサウジアラビアのこと)>


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              <これはアメリカ・ヴァージニア州(陸続きじゃないけど)>


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                 <国連(United Nations)>

 これ以外にもリビアやエジプトの車が走っているのを見たことがあります。

 現在、シリアは内戦状態、イラクは治安が不安定なせいか、陸続きにもかかわらず、両国の車は見たことなし。

 また、なぜかイスラエルの車も見たことがないんですが、これは複雑かつ微妙なパレスチナ問題とかがからんでいるからでしょう。(多分、イスラエルナンバーの車が走っていたら、危険)

 いつか中東地域にも平和が訪れて、EUみたいに自由に国境が越えられるようになる日が来て欲しいものです。  
Posted by straysoldier at 23:00Comments(0) Life in Jordan 

December 01, 2017

Warda al Hamra(Red) / Rasoun

 今日はヨルダン人クライマー、Jamalと一緒にRasounへ。

 到着後、まずはアップでStepping Stone(6b)へMOSトライ開始。MOS。



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                <Stepping Stone (6b)>

 アップで取りつくには、30mとルートが長いのも手伝って、結構悪いかも。



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                <Stepping Stone (6b)にトライするJamal>


 続いて、Bad Bad Wolf(6c)にMOSトライ。MOS。


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               <Bad Bad Wolf(6c)>

 これまた結構悪い。

 Redエリアはどれもルート長が30mと長いので、それなりに持久力を要する。また終了点もボルトが盗まれていたり、そもそも設定されていなかったりするので、トライするならば自分で予備のシュリンゲの準備と、終了点の設置方法を習得しておくのが必須。


 続いて、Blood Suckerにエリアを移して、本日のメインディッシュ、Jad Finger(7b+)にMOSトライ。


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                 <Jad finger(7b+)>

 下部は6cくらいで簡単。上部に行ってカンテ~凹角に入っていくところが核心か。

 カンテから凹角に乗り移ることろで、しばらく止まって考える。あまり早く入り過ぎても凹角の中はホールドが皆無だし、カンテを登り過ぎても行き詰ることが目に見えている。

 ボルトの位置を慎重に見極めた後、思い切って凹角に移る。

 凹角の中は、誰も取りついていないせいか、砂だらけ。壁に積もった砂を払いのけて、スリップしないように慎重に高度を上げる。

 凹角の中で、かなり厳しい態勢でのクライミングを強いられたが、何とか持ちこたえて、右のカンテにあるボルトにクリップ。


 そして、凹角を抜けて上部に身体を出せれば、あとは終了点まで快適なクライミングが続く。

 MOS成功。7b+のMOSは初めてのことで、MOSグレード更新だ。


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            <Jad finger(7b+)をMOSする私>

 続いて、最後にRedエリアに戻ってMabarf(6c)にMOSトライ。MOS。


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                 <Mabarf(6C)>
 

 今日は、初めてのエリアで1日中登って1度も落ちなかったのと、MOSグレードを更新できたのがうれしい、充実した1日だった。

 Jamal、今日は付き合ってくれて、どうもありがとう!(^^)
  
Posted by straysoldier at 23:30Comments(0) Sport Climbing