January 25, 2013

日本版NSCに必要な日本政府の覚悟

1月23日付読売新聞は以下のように伝えている。

 『 「様々な課題があることが明らかになった。どう解決していくか、政府と党が一体となって取り組んでいく必要がある」

 首相は22日、自民党本部で開かれた同党の全国幹事長会議でこう述べ、人質事件を受けた危機管理体制の強化に取り組む考えを強調した。菅官房長官も22日の記者会見で「今日までの対応の中で、やはりNSCの設置は極めて大事だなと思っている」と語った。

 課題の一つが、情報の収集と集約・分析だ。事件では、アルジェリア国軍の軍事作戦や人質の安否などをめぐり、確かな情報を得るのは困難を極めた。

 米軍は無人偵察機を現地上空で飛ばすなどしたが、機微にふれる情報はなかなか伝えられなかったという。首相は22日のテレビ朝日の番組で、「軍がオペレーション(作戦)を展開する場合は、軍の人たちとある程度の関係を持つことが大切だ」と指摘した。 』

 安部第1次内閣以来、何度も浮かんでは消えている「日本版NSC構想」。

 その必要性については、もはや議論する余地もないほど明らかだが、その運用にあたっては、上記記事でも指摘されている通り、現状では海外における情報収集体制に大きな問題点がある。

 現在、海外における情報収集活動(ヒューミント)は主に外交官や防衛駐在官に頼っている。その方法は、各国大使館でのパーティーや学術会議への出席などを通じた情報交換が主だが、対テロ関係の情報となると外交官が認められている外交活動から離れて、どうしても違法行為に踏み込んでいく必要がある。

 例えばテロ行為を行いそうな反政府組織やテロ組織に浸透し(または内部に協力者を獲得し)、情報を集めるというやり方がその一例だ。ただこのようなヒューミント活動や、さらには外国での通信傍受や無人機による情報収集は、基本的には「違法行為」となってしまう。

 したがってこれらの方法を日本政府として、(公に認める訳にはいかないが)黙認し、組織としてバックアップする体制を構築する必要がある。そうしなければ、誰も命を落とす危険すらある諜報活動を、わざわざリスクをとって行おうとする者はいない。

 「君が組織に拘束され、あるいは殺害されても、当局は一切、関知しない。。。」というと、まさにミッション・インポッシブルやジェームズ・ボンドの世界だが、他国における情報活動は、このようなグレーゾーンで行われるのが常識だ。

 グローバル化する日本企業が、海外でテロ行為に遭遇する可能性は今後益々高まるのは間違いない。これらの在外邦人を守るため、今、日本政府の覚悟が問われている。

  

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January 23, 2013

在外邦人等輸送に関する自衛隊法の改正

1月23日付毎日新聞は以下のように伝えている。

『 自民、公明両党は22日午前、自民党本部で与党アルジェリア邦人拘束事件対策本部を開き、海外での邦人保護や救出態勢を強化するため、自衛隊による邦人輸送を定めた自衛隊法改正を検討することで一致した。

 自民党の石破茂幹事長は会合後の記者会見で、「政府・与党で早急に作業を進めたい」と強調。ともに会見した公明党の井上義久幹事長も「邦人保護のあり方について、自衛隊法改正について検討したい」と前向きな姿勢を示した。

 自民党は野党だった2010年に邦人の避難にあたり自衛隊が警護できる自衛隊法改正案を議員立法で提出している。井上氏は会見で「自衛隊の実力行使を伴う海外派遣については基本的に閣法でやるべきだ」と述べ、議員立法ではなく、政府提出法案が望ましいとの考えを示した。 』

 自衛隊法第84条の3に定められている「在外邦人等の輸送」に関して、ようやっと改正実現への動きが出てきた。

 現在、自衛隊法の条文には「緊急事態に際し、“輸送の安全が確保されている場合に”在外邦人輸送を行う」と書かれている。この条文を素直に解釈すれば、「緊急事態」、すなわち今回、テロが起きたアルジェリアのように、安全か危険なのかがわからない地域に対しては自衛隊の派遣が不可能だ。一方、“輸送の安全が確保されている場合”なら、わざわざ自衛隊を派遣せずとも、民間航空機等で十分、邦人を輸送できる。

 武力行使可能な軍事組織であり、危険に適切に対処できる自衛隊が派遣されてこそ、危険な状態にある在外邦人を日本に安全に連れ帰ることができる。現在の法律では、それが可能になっていない。それに加えて、たとえ自衛隊が派遣されたとしても自衛隊の武力行使には大きな制限がかかっている。

 このような現行法の「矛盾」は、自衛隊に在外邦人輸送任務が付与されて以来、10年以上も放置されてきた。

 来月にはタイにおいて、自衛隊・米・タイ軍が協同しての在外邦人輸送訓練が実施される。そのような中、従来から指摘されていた法制運用上の問題点が、アルジェリアのテロ事件により脚光を浴び、改正の動きにあることを歓迎したい。

  
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January 13, 2013

あかねの浜/城が崎

 今日は同行者にクラック初心者が居たのもあり、まだ行ったことがない「あかねの浜」に行くことになる。実は城ヶ崎のクラックエリアはまだ行ってないところがほとんどだ。(新しい100岩場では各クラックエリアのアプローチまで詳細に紹介されているので、早速購入)

 到着するとすごい人・人・人。。。こんなにクラッククライマーが居たとは。。。

カーム・フライデー(10.b)OS

エリアの3つ星看板ルート。出だしの2段ハングを乗り越えていくところが核心。非常に面白い良いルート。


コモドドラゴン(10.d)RP OSは失敗。核心はカームフライデー同様出だしかと思いきや、最後に核心がある。。。


 エリアが混んでいたのとコモド・ドラゴンのOSを逃したため、一番触りたかったゴミステーション(11.c)は時間切れで触れなかった。・・・しかし、北面にあるから常に日陰で、周りにも誰もいなくゴミ捨て場だったから(?)、名前が「ゴミステーション」って。。。クラック自体はきれいなクラックだから次の機会にはぜひ登りたいものだ。

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                <あかねの浜(夕方撮影。昼間は凄い人。。。)>  
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January 12, 2013

マリオネット/アストロドーム

今日はアストロドームへ。昨年、一度来たことがあったが、アプローチの仕方をすっかり忘れていた。。。

 今日の目標はマリオネット(12.a)。初の3次元的なクラック。クラックRP最高グレードは11.aという状況で数字が1コ違うルートに触るのは過早な気がしないでもないが、これがここでは一番簡単なクラックだ。

 足下は完全に空中。しかもNPという状況でのクラッククライミングはやはり緊張する。
ルーフに圧倒されつつ1日かけて何とかトップアウト。核心は最後の最後。最後の終了点にクリップするまで気が抜けない。ただ下部はジャミングがしっかり決まるところばかりなので何とかなりそうだ。

 今回初めて分かったが、ルーフクラックは体幹がとにかく疲れる。それに登り終わった後の回収がトップロープで登り返すしかないので、トライすることそのものがすごく制限されるということだ。いろんな意味で時間がかかりそうだが、いつかは登りたいものだ。


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 <圧倒的なルーフクラック。マリオネット(12.a)>
  
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January 11, 2013

北工作員?兵器情報を海外メール送信した男逮捕

11日付読売新聞は以下のように伝えている。

 「兵器開発に関する調査報告書を無断複製し、海外に送ったとして、大阪府警外事課は10日、別の詐欺事件で逮捕、起訴された兵庫県尼崎市、運送会社社長・吉田誠一被告(42)(公判中)を著作権法違反容疑で再逮捕した。吉田被告は「北朝鮮関係者の指示で情報収集した」と供述しており、府警は、吉田被告を工作員とみて裏付けを進める。

 発表では、吉田被告は2009年9月29日、米国の調査会社からインターネットで購入した報告書2点(約120万円)を無断で複製、海外の特定の人物にメール送信した疑い。「研究用に買ったが、複製や送信の覚えはない」と容疑を否認しているという。

 報告書は、世界の兵器や軍事通信の開発動向などを分析したもので、日本の法人なら購入可能。吉田被告は、実体のない有限会社名義で注文していた。

 吉田被告は、北朝鮮の軍関係者とみられる人物からメールで、報告書の入手や購入費を中国で受け取るよう指示され、購入直前の同月下旬、中国へ渡り、帰国後に約120万円相当の米ドルを換金していたという。

 吉田被告はこれまでの調べに、08年頃から情報収集を始め、中国などで約2000万円の報酬を受け取った、と供述しているという。」

 以前に指摘したことだが、日本にはいわゆる「スパイ防止法」がないため、このようなスパイ行為に対して著作権法違反などの微罪にしか問うことができない。

 このような状況は自国に対するスパイ活動を助長するばかりか、日本を拠点とした他国へのスパイ活動をも助長することになり、他国、特に同盟国からの信頼を失いかねない。

 秘密保全法案への反対は革新系の議員を中心に依然、根強いと聞くが、早急に現状の改善を図らない限りは「スパイ天国日本」の汚名を返上することは難しい。

  
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January 10, 2013

安部総理就任後、初の外遊先は東南アジア

 中国が領土に関する主張をより強硬に行うようになっている状況下で、安倍総理と岸外務大臣が東南アジア諸国を初の外遊先に選んだ。

 これには重大な意味がある。

 中国のアジア太平洋地域における台頭は最近、より一層顕著だ。
これを経済的にも軍事的にも押さえ込むことができる国は、もはや東アジア地域に存在しない。

 そんな中、中国を囲むように存在する日本と東南アジア諸国、それにインドが連携を深めること。これは地政学的な観点からも中国に対する牽制へとつながる。

 優れた外交センスを見せた安部総理。今後の外交手腕には期待できそうだ。

  
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January 07, 2013

第1空挺団が離島奪還訓練

 1月6日付共同通信は以下のように伝えている。

『 第1空挺団が離島奪還訓練 陸自、公開降下で初想定 千葉・習志野演習場

 日本で唯一の落下傘部隊を持つ陸上自衛隊第1空挺団(千葉県船橋市)が、習志野演習場(同市など)で毎年1月に一般公開する降下訓練を、敵が侵入した離島を奪還する想定で初めて実施することが6日、空挺団幹部への取材で分かった。

 幹部によると、演習場を島に見立て偵察部隊数人が海岸に降りた後、後続部隊約40人が空自や海自の援護を受けて降下する想定。海上への落下に備えて、救命胴衣を着けた上に小銃などの武器を装備するため、通常の降下より難度が上がる。

 中国船の領海侵入などで緊張感が増す沖縄県・尖閣諸島などの有事に、最精鋭部隊として実戦的に備える狙いがある。公開訓練は今月13日に実施予定。従来は、戦闘中の敵の背後に降下する想定だった。

 陸自の離島奪還訓練は昨年8月に東富士演習場(静岡県)、9月に米海兵隊と合同でグアムで実施された。11月にも沖縄県の無人島で日米共同訓練が検討されたが、地元の反発で中止となった。1996年に硫黄島(東京都)で実施された例もある。

 南西諸島の離島防衛は、長崎県佐世保市の西方普通科連隊を中心とした部隊が担うとされる。しかし、同隊は輸送艦で移動するため、即応性が求められる場合には、航空機で移動する第1空挺団の出動も想定される。

 空挺団幹部は「現時点で具体的な任務があるとは考えていないが、政治判断に対応できる準備は必要だ」としている。』

 昨年11月に実施される予定であった日米共同での離島奪還訓練は、中国への配慮から「政治的判断」で延期された。今回、第1空挺団が離島奪還のシナリオで訓練展示を行うことには、重大な意味がある。

 訓練展示は、軍事力を「誇示」するという意味合いよりも、紛争を抑えるための「抑止」という意味合いの方が大きい。

 通常、侵攻を企図する国は、相手国が侵攻に耐え、反撃するだけの能力を持っていると判断すれば、侵攻を思いとどまる。したがって、訓練「展示」という形で、離島侵攻(ここでは具体的には尖閣を意味しているのであろうが)に対し、それを「阻止」し「奪還」する能力があるということを対外的にアピールすることには重大な意味がある。

 不要な「政治判断」で訓練を中止させるようなことがあってはならない。

  
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January 02, 2013

シーサイド/城が崎(その3)

 城ヶ崎最終日。実はシーサイドのクラックをほとんどやったことがないので、今日はクラックをやることにする。

 アップで(フェースだけど)ティンカーベル(10.b)をMRP。丁度1年前以来の再登。グレーディングがみんなに「辛い」と言われているルートだが、核心が最初にあると言うだけで、個人的には適正グレードではないかと思うのだが。

 その後、サンライズに場所を移していよいよ本題のクラック。

 ニュートロン(11.a)にトライ。やったー、OS!と、思っていたのだけれど、、、(帰宅後、本屋で100岩場改訂版を確認するとニュートロンはクラック終了後にフェースを少し登る設定に改められていてニュートロン(11.b)になっている!(涙)。残念ながらクラックOSグレード更新ならず。やっぱ新しい100岩場買わなきゃ。)

 その後、アーリータイムズ(10.b)と人生楽ありゃ苦もあるさ(5.9)をOS。

プレッシャー2p目(11.b)を狙うも時間切れでトライできず。。。

今度、来たときには是非プレッシャーとサイクロン(11.c)にトライしたいものだ。

 皆様、今回も遊んで頂きありがとうございました~(^^)

  
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January 01, 2013

シーサイド/城が崎(その2)

 朝0540起床。近隣の神社に初詣。くじを引いたら末吉。「怪我を養生しなさい」ってあたってるし。。。

 大重丸まで戻ってくるとちょうど眼前の海岸から御来光のタイミング。御来光を見るなんて冬山登山をやっていた時以来、何年ぶりだろうかと感慨深く御来光を拝む。今年(こそ)は良いことありそうだ。

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                         <何年ぶりかの初詣>


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                     <大重丸前で御来光を拝む>


 登り初めはアップでルーズ・ガール(10.d)。このルートも数年ぶりに登るがあまり良い記憶がない。何とかMRP。やっぱり記憶通り悪かった。。。

 その後、気合いを入れてチリコンカーンに泣きの3便を出すもやっぱりダメ。保持力不足で戦えてない感じなので、しばらく封印することにする。

 しかし、年末年始登って、足の痛みがなかったから、もはや足は完治したようだ。良かった、良かった。

 ただキャデラックランチといいチリコンカーンといい、まだまだシーサイドで戦うレベルに到達していないことがよく分かった。。。ジムに通ってまずは身体作りからやり直さなくては・・・


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                        <大重丸はおせちも豪華>

  
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