February 24, 2007

6カ国協議にみる日米「同盟」の危うさ

 核武装の解除に伴うエネルギー支援という形で決着をみた先般の6カ国協議。結果的に米中両大国の意向に沿う形になったが、今回得られた教訓から日本は多くのことを学ぶ必要があるだろう。

 日本は協議開始前から「拉致」問題と「核武装」の問題を切り離して考えることはしないと主張していた。協議終了後の現在でも「拉致」と「核武装」の問題はそれぞれ北朝鮮の政策として行われたことであり、同根であるとの姿勢を崩していない。
にもかかわらず、日本と同盟国であるはずの米は、イラク問題との両立は避けたいという国益計算に基づき、6カ国協議に一定の成果を求め、結果的に北朝鮮に有利に6カ国協議は進行した。

実は、これは米の外交姿勢としては、べつに驚くに値しない。太平洋戦争以前から変わらぬ外交姿勢である。なぜなら米国をはじめとする諸外国にとって、外交とは、独立国が自国の利益を導くためにやるものだからである。

しかし、これで米が国益計算の如何であっさり日米「同盟」すら脇に置くという現実がはっきりとしたわけである。今回の教訓として、今後、日本は独立国として対北朝鮮政策には一貫性を持つべきだということを言いたい。対米依存にかまけて自主防衛を放棄したままでは、いつかツケを払わされる日がくるのは確実といえよう。そうなる前に、自国の防衛について国民一人一人が、もう一度、真剣に考えてみる必要がある。

  

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February 20, 2007

東京マラソンのボランティアを見て

 先日、東京マラソンが開催され、およそ3万人のランナーが東京を駆け抜けた。東京ほどの人口密集都市において、これだけの大規模のマラソン大会が成功裏に行われたのは、ランナーをサポートするための市民の大規模なボランティアが行われたことが大きな要因のひとつであろう。

 その規模、1万2千人ということである。
 これらのボランティアの力を統制し大会を運営できたことは、東京都にとって大きな自信になったはずである。近い将来、南関東を震源とする大地震が予想されている。大震災に見舞われた場合は、ボランティアの力が復興に向けた大きな力になるだろう。今回の東京マラソンにおいてはからずもその予行が実施できたわけである。
  
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February 16, 2007

首相の英断

 6カ国協議が最終日を迎えた。最終的に、協議における一定の成果を望む米中の思惑に添った形で、北朝鮮が核関連施設の査察を受け入れる代わりに日本以外の4カ国によるエネルギー支援が行われることで合意した。

 拉致問題の解決に向けて支援を行わないという英断を下した安部首相に拍手したい。小泉さんの後を受けて就任されてから、支持率が低迷していたようだが、今回の英断により支持率は上昇に転じるのではないだろうか。

 日本が6カ国の中で孤立化する? そんなことはないだろう。皆に迎合することだけが日本の生きる道ではない。これで膠着状態にある拉致問題の解決に弾みがつくだろう。

 足元を見透かして、法外な要求を突きつけた後に妥協してみせるいつものやり方をする北朝鮮に対して、一切の妥協は不要である。
  
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February 15, 2007

殉職した警部へ

 線路に飛び出した自殺志願の女性を助けようとして重体となっていた警察官が、今日、殉職した。53歳、地道な交番勤務の宮本邦彦巡査部長だ。巡査部長は女性を助けようと、わが身の危険もかえりみず、ホーム下に女性を押し込もうとしたが間に合わなかった。

 警部のプロ根性に学びたい。我々は普段、国防という任務を遂行するために過酷な訓練を実施している。しかし、訓練は行き届いた安全管理の中で行われるため、戦闘訓練といえど実際に弾が飛んでくることもなく、危険を感じることも少ない。

 このような訓練しかしていない我々が、実際に戦闘になったときに、わが身の危険をかえりみず弾丸の中をかいくぐっていけるのだろうか。口でいくら「危険を顧みず…」と言ってみても、その場になってみないと誰にもわからない。

 警部のように無心の行為としてそれができるように、我々はなりたい。
  
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February 14, 2007

米兵が一般道に向け銃を指向?

 今日、某テレビ局の報道を見て感じたことを、少し書きたい。

 沖縄の米海兵隊で訓練中に起きた「事件」だった。海兵隊員が上陸作戦の訓練中、水陸両用車が故障した。そこで車両を取り囲むような隊形に展開し、周りに対し銃を指向した。その際、銃口がたまたま民間道を指向したということが大問題だといわんばかりにとりあげられている。

 我々軍人からしてみれば、この行為は当たり前の行動である。車両にしろ徒歩にしろ、止まったならば散開して全集警戒の態勢をとり、不測の事態に備える。それが自然にできる部隊がいわゆる精鋭部隊といわれる。普段、意識しなくてもできなくては、戦場でできるはずがない。

 訓練を映像で見る限りは、弾薬どころか弾倉すらこめていない小銃なので、指向されたからといって全く危険はない。なぜここまで騒ぐのかが不思議だ。当然、海兵隊指揮官もそのような認識で訓練の実施を認めたに違いない。

 この報道は、沖縄県民の対米感情を悪化させ、基地移転問題に何らかの影響を与えようと画策されたものではないだろうか。このテレビ局には以前から政治的な意味合いを含む意図的な報道が多々見られたが、ここまで露骨だともはや言う言葉もない。

 日本のテレビ局には軍事的な「常識」を持った者はいないのだろうか。
  
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February 12, 2007

キャンプ座間に対する迫撃砲攻撃

 昨日、午後11時頃、米軍キャンプ座間基地に対し迫撃砲攻撃が
加えられるというテロ行為があった。犯行は現在の所、国内左翼系過激派によるものと
予想されているが米ABCテレビなどはアル・カイーダが関連した犯行との
見方を示している。

 実はこの時、某駐屯地当直司令という特別勤務についていた。当直司令とは
駐屯地司令(すなわち司令官等)が退庁してから翌朝、登庁するまでの間、駐屯地
司令の代行業務を行う重要な職責だ。そのため、もし夜間に不測事態が起きた場合には
すぐに初動対処のための処置を講じて、司令官が登庁するまでの間、部隊を指揮しなくては
ならない。

 そのような重責にありながら、事案発生の第一報を受け取った後の対応は、今、思い返す
と赤面したくなるような酷いものだった。

 警衛隊に異常の有無を確認し、注意喚起をしたのみ
で朝を迎えてしまったのだ。事案発生の一報を受け取ったのが深夜の0200であり、また
発生地が遠く離れた座間基地であったというのも、隊員を派遣しての巡察や一斉検索の実施に
踏み切らなかった理由ではある。

 だが普段、テロ対策やリスクマネージメントを研究している身でありながら、このような
対処しかできないというのは情けない限りである。

 今、思い返せば、この時の対応の原案は
○ 防衛班長に対する連絡
○ 駐屯地内の一斉検索
○ 駐屯地周辺の巡察の実施
○ 警衛の強化(巡察を2名2組態勢へ)
○ 増加警衛(4名を増強した態勢へ)

をするべきであっただろう。

 テロ攻撃は、その効果の増大を狙って同時多発的に実施されるのが
常道である。このことを肝に銘じてこれからの勤務に生かしたい。   
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February 07, 2007

混迷を深めるイラク

またもや自爆テロで一度に135人の尊い命が失われた。

イラクはどうやら泥沼に入り込みつつあるようだ。

米国は対テロ戦争を何をもって勝利とするのだろう。   
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February 04, 2007

河又にてリハビリ

約1ヶ月半ぶりのクライミング。

前回の幕岩で、手首の腱鞘炎が相当痛いことに気付いたので
1ヶ月半、本当に1度もクライミングをやらずに
休んでました。

そんでもって、今日、いきなり河又に行ってみました。

我ながら無謀にも、5.9~5.12aまで
一通りやってみたところ
手首の痛みはほとんど感じずに登ることができました!!!

あと数週間休めば「手首は」ほぼ元に戻りそうです。

といっても「体」の方はクライミングモードに
まったくならず
久々にやった大五郎(5.11a)では
RPにはほど遠い有様。。。。シクシク。。。

さぁ、またトレーニングするぞ~。   
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February 03, 2007

最近の円安傾向

 最近、とみに円安傾向が進んでいると言われている。
 1ドル120円を超え、株式市場に外貨が流れ込み株価も押し上げている。

 この影響なのかどうか分からないが職場の温水プールが最近、温水ではなくなった。燃料費の高騰が原因と言われている。

 このこと自体はどうということはないような気がしていたのだが(僕はあまりプールで泳がないし)意外にも、多くの人が文句を言っている。

 温水プールが温水でなくなる。暖房が入らなくなる。
 ある日、突然、電気が止まる。

 こういった事は、実はエネルギー供給の殆どを海外に頼る日本にとっては、いつ起きても不思議はない現象だと(個人的には)常日頃から思っている。

 多くの日本人がこういったことを当然と考える認識を持ち、日本のエネルギー施策、外交戦略はどうあるべきかということを真剣に考えた方がいいと思う。

 そうすればお茶の間のワイドショーの話題も少しはかわってくるかな。   
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