January 30, 2005

プラナンツアー総括


 初めての海外クライミング、というか海外旅行そのものも10年ぶりくらいであったためなにからなにまで新鮮で本当に楽しかった。また本当の意味でのリゾートクライミングというものが理解できたような気がする。今回の旅をプロデュースしてくれたYさんには感謝である。本当にありがとう。

 幻想の国、タイ。そしてクライマーの天国、プラナン。。。
こんなクライミングの味を知ってしまったからにはもはや日本の混んでいて寒い岩場でなんか登る気がしなくなる。しかし僕はやっぱり日本でも登り続けるだろう。再度、プラナンで8aにトライする自分を夢見て・・・
  

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January 29, 2005

ぜったい落とすぞ7a!


 朝早く目が覚め、なんとか今日中に落とさないともう帰国と言うことで気合いが入る。朝食をホテルのサービスを待っていると岩場に行くのが遅くなってしまうので先にトンサイに行くことにする。正直、Bay Resortの朝食は美味しくない&サービスが悪いので他で食べたいというのもある。

 昨日と同様、干潮だったので海岸沿いに回り込んでトンサイにアプローチ。昨日、飽きるほど見たBabes in Thailandは残置したヌンチャクがそのままかかっている。とりあえずウオーミングアップを兼ねて1本目を各駅停車で登る。さすがに4日目のクライミングということで体が重い。そういえば4日間連続でクライミングするなんて初めての経験だ。

 しかし7aのRPを目標にやってきたからには落とさないわけにはいかない。残された時間は帰国するまでの午前中のみだ。今から他のルートに取り付くのは時間的にも厳しい。気合いを入れて2本目、本気のトライをする。

 最初の核心部、遠いホールドへの伸びはスムーズにこなす。ここから昼間部はガバが連続するものの傾斜が120度近くあるため、少しでも腕に負担がかからないように足をうまく使って傾斜を殺しながら中間部分のレストポイントまで行くのが大切だ。レストポイントからは最後の核心まで右にトラバース気味に移動し、最後の核心は残された力を振り絞って右足を細かいスタンスに立ちこんで一気にガバを取りに行く。

 できた!できてしまえば簡単に感じたこのルートも結局、計2日間、6トライもの時間を要した。河又のデザートソング(12a)よりは早く落としたもののこのクラスのルートは2~3トライで落としていかなければ13クライマーへの道はまだまだ遠い。頑張らねば。

 時計を見るとまだ9時だったので、今回の旅で不完全燃焼気味のYさんのために、初日に行った、1-2-3エリアに戻って簡単なルートにTRを張ってタイクライミングの締めくくりとする。

 1-2-3エリアではKing Cobra(5)、Be Careful(6B)、Make a Way(6B)をそれぞれオンサイトしてTRを張り、Yさんに楽しんでもらう。また、Iさんに再会し、日本での再会を誓い、いよいよ、名残惜しいがプラナンを後にする。

 1300プラナンウエスト発。ロングテイルボートにのりアオナンに着く。アオナンで白タクシーに乗り、クラビータウンへ。クラビータウンには、今回の旅でホテルの予約等でお世話になったサクラさんという日本人が経営している「サクラ」というレストランがある。そこに今回のホテル代を払いに行く。

 「サクラ」はクラビータウンの端にある小さなお店でタクシーで探し回った挙げ句、ようやく発見。サクラさんは非常に気の良い関西のおばさんという感じの方でタイ人の男性と結婚してこちらで店を開いている。ホテル代は結局、昨年末の津波の影響もあり通常の半額くらいの値段に下げられており大分得した。(1泊1575B也)

 まだ時間があったのでクラビー市内をうろうろ観光。日本へのお土産(シルクの織物、ビール等)を買い、Yさんは再度タイ式マッサージを堪能し、クラビータウンを後にする。クラビータウンからクラビー空港まではサクラさんの旦那さんに車で送ってもらう。

 1800クラビー空港発、1900バンコク着。バンコク空港で少し時間をつぶし、2300(TG642便)バンコク発。空港使用税は500B。

機内では旅の疲れからかぐっすり。0700成田着NewUSAパーキングから習志野へ戻ってきたのは0900であった。帰ってきてすぐに食べたお茶漬けはやっぱり最高であった。

  
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January 28, 2005

ツアー目標の7aルートへ挑戦


 今日はいよいよ今回の旅の目的である7aを落とすべくYさんと共にトンサイビーチに繰り出すことにする。相変わらずサービスに加え味まで悪いライレイベイでの朝食を済ませた後、Yさんと共にトンサイを目指す。

 今日はまだ潮が満ちきっていないため山越えをせずに海岸沿いの経路でトンサイビーチに回り込む。5分程度で回り込むことが出来、非常に楽だが荒い磯の上を歩く必要があるのでアドベンチャーサンダルが必携。

 トンサイエリアはプラナンの代表とも言えるドッカブリのエリアで、ルートグレードはほとんどが7a以上でクライミング初心者を寄せ入れないエリアである。また入り組んだ湾内にあるためライレイウエストのようにリゾート観光客の姿はなく、いる人間はほぼ間違いなくエキスパートクライマーだといえる(?)くらいでクライマーにとってはまさに天国のような所である。

 ウエストビーチからトンサイエリアに至るまでの間にはタイガーウォール、チロリアンウォール、ダムズキッチンなど三つ星ルートが多いエリアも存在し、それらにも登りたかったが今回はカツカツの日程のためそれらは断念。とにかくこの看板エリアとも言えるトンサイエリアで7aを落とすのだ。

 昨日、Humanalityを登る前にIさんといっしょに偵察した限りでは、7aで落とせそうなのはトンサイエリアのほぼ中央にあるBabes in Thailand(7a) かLal Bab(7a+)がお手頃だろうとのこと。Lal Babは実際は7a位とのことでどちらもいっしょらしいがとりあえずグレーディングの順にまずBabes in Thailandに取り付くことにする。

 Babes in Thailandはトンサイエリアの中でも最も海岸の方に張り出した部分にあり下部はテラス状に隆起している。そのテラス状の所へのっこして、コルネを左に回り込んでから実質的にルートは始まる。ビレイはテラス状のすぐ下の砂浜で行うが、満潮の時にはとり付きのすぐそばまで波打ち際が来てしまうのでシートや荷物はなるべく岩側に寄せておかないといつの間にか荷物がずぶぬれになっていたりするので要注意だ。

ルートを下からオブザべーションした限りでは核心は下部テラスと終了点への1手の2カ所。最初の核心部はテラスから次のホールドまでがかなり遠いので苦労しそうだ。その遠いホールドをとった後は足を上げてうまく体重を殺して行ければ上部の核心部分までは持久力との勝負になりそうだ。そして上部の核心部分も最後のガバまでは少し遠いように感じられるのでいかに力を残してあそこまで行けるかが勝負になるだろう。

というわけで1回目のトライ。オンサイトなんかははなから狙ってなかったがやはり最初の核心で落ちる。ホールドが遠い上にとってみたら結構悪く、体を持ち上げるのにかなりのパワーを要する。さらに中間部分も傾斜が強く1手動かすにも相当のパワーを要するのが判明した。

1回目は各駅停車でなんとか上まで登ったものの汗だくであった。その間に隣のLal Babには他のクライマーがとりついて軽くオンサイトなどをしている・・・。おそらくこのエリアにいる一番下手なクライマーは僕なのだろう・・・

Babes in Thailandにもフランスから来たという中年夫婦のクライマーが来たので先に登ってもらう。腹の出たおじさんクライマーなのでホントに登れるのか???と思っていたら意外にパワークライマーで最後の核心部分で落ちたものの安定した登りをみせてくれる。そして見事に2撃してしまった。

そのフランス人夫婦のご厚意でおじさんにビレイをしてもらいYさんにビデオを回してもらいつつその日5度目のトライ。しかしながらやっぱり最後の核心部分で落ちてしまう。情けない。もはや大分パワーもなくなりかけているので少し休むことにする。

もう大分日も高くなり時計は12時を指していた。昼以降はトンサイエリアは日なたになってしまい暑くてとても登れそうにない。他のクライマーはトンサイバンガローの中のシートに腰掛けて休んだりしている。

せっかくなので僕とYさんはトンサイバンガローの裏にあるマッサージ屋でマッサージをしてもらう。Yさんはアロママッサージ(300B)で僕は生まれて初めてのタイ式マッサージ(250B)を受ける。

実はお金を払ってマッサージをしてもらうこと自体、初めての経験なのだがタイ式マッサージはやたら強くもんでくるのでとても痛い。マッサージはこんなに痛いものなのだろうか・・・しばらくすると段々気持ちよくなってきた。。。

そして、マッサージのあまりの気持ちよさにうたた寝をしているとあっという間にマッサージは終わり。まだトンサイエリアが登れる夕方までは時間があるのでトンサイエリアのさらに西側のエリアにいってみることにする。

トンサイエリアからさらに湾内を回り込んで行き、FIXロープがかかった壁(コブラウォール)を横目に見つつ半島の突端まで歩いていくと小さな砂浜に出る(引き潮なら歩いていける)。その砂浜からマングローブの林の中にある小径を詰めていくとそこがイーグルウォールエリアだ(トンサイから徒歩約10分)。

林の中はまるで川口ヒロシ探検隊になったような気分に錯覚するほどジャングルしているので面白い。

イーグルウォールは思ったより人が多くて、トーテムポール(6a+)という面白そうなルートがあったのだがすでにアベックが取り付いていて断念。代わりにKon Bar(7a)という面白そうな7aのルートに取り付いてみる。テクニカルなムーブが要求されるが1回目のトライでワンテンで登れたのでもしかして2撃か??と思ってもう一度トライするももはやパワー切れであえなく失敗。どうやら今日はもう閉店のようだ。

日も暮れかけてきたのでイーグルエリアを早々に撤退してトンサイエリアをも後にする。後は明日の帰国前に何とか落とすしかない。

夜は初めてプラナンイーストのバンガローに行ってステーキを食す。日本の肉のように柔らかくはなく固い肉であまり美味しくはない。やはり肉は日本の方がはるかに美味しいだろう。

  
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January 27, 2005

プラナンでマルチピッチに挑戦!

今日は昨日、色々と付き合ってくれたIさんたっての希望でトンサイエリアにあるマルチピッチを登ることにする。ということでYさんをホテルに残し(タイ式マッサージを堪能するそうです。。。)一人、トンサイエリアに徒歩で向かう。

ところでこの日はBayResortで朝食を食したが味・サービス共にBランク。。。せっかく朝食付きの宿泊だが朝食は他のバンガローで食べた方が良さそうだ。

初めて行くトンサイエリアはウエストから見えるものの(10分くらいの距離に見える)、満潮時には海岸沿いには行けそうもない。トポを見ると、山沿いの道を抜けられると書いてあるので道が分からない不安が有りつつも、とにかく行ってみることにする。

トンサイに至る山道は、海岸沿いに歩ける所まで歩いて山沿いを探ると、それらしいFIXロープが垂れ下がった所があるので一目瞭然。この道を辿れば20分くらいでトンサイエリアに至ることができる。ただし引き潮の時に歩いて行けば10分で行けるのでできるだけ引き潮の時間に行った方が楽ではあるだろう。

ボートでやってきたIさんと落ち合い、さっそく荷物をトンサイのバンガローに預けバンガロー裏にある取り付きに行く。狙うルートはHumanality(6B+)。四つ星ルートである。全5ピッチのルートだが1ピッチ目に行くまでに木登りのアプローチがあり、そのアプローチの木登りにもTarzan(5)という立派なフリーのグレードが付けられている。

0910登攀開始。マルチ用のダブルザイルなど当然、プラナンに持ってきてないので60mシングルで登って、セカンドの者が懸垂用にもう一本、60mのシングルロープを担いで登るシステムにする。

出だしはIさんのリード。Tarzanはただの木登りとあなどるなかれ。フリーのグレードが付けられているだけにそこそこ難しい。油断するとおちるので木の枝に付けられたスリングに確実にプロテクションをとりつつ登った方が良い。

 Tarzanを登った後、5メートルほどテラスを右にトラバースした後、ボルトが一本打たれているコルネを直上、もう一段上のテラスに出て、さらに右にボルト3本トラバースした所がやっとHumanalityの1ピッチ目になる。このTarzanの2ピッチ目は僕がリードしたがやっぱりそこそこ難しく(6A位はありそう)まだHumanalityにとりついてもいないのに早くも汗をかいてしまった(^^;)

1P目 6A+ 20m Iさんリード

いきなり140度はあろうかというルーフを越えていくルート。ただしルーフを越える部分を含めて下側に足は豊富にあるので難しくはない。リードは恐れることなく行くべし。しかしこれほどのスケール(マルチピッチ)であって、なおかつ易しい石灰岩の岩場は、日本では想像することもできない。本当になんてすばらしい所だろう。

2P目 6B 22m 私リード

 出だしから直上しボルト沿いに次のテラスまで。核心部分はボルト沿いに素直に乗り越すルートとスリングとボルトに導かれて右のコルネ沿いに登る2通りがある。ボルト沿いに登る方はホールドも少なくやらしい。大分悩んだ挙げ句に右のルートをとってしまったがIさんは左を登ったらしい。力のある人は左を登った方が楽しめるかも。

3P目 6B+ 25m Iさんリード

 本ルートの核心ピッチ。ボルトに導かれてどんどん右上。この辺はガバの連続で快適に登れる。しかし15m位進んだ所で次の5m位上のボルトまでホントにホールドも何もない面に出る。石灰岩だというのにスラブのような垂直の面が次のボルトまで続いている。。。????どうやって登るの??? 幕岩の12aくらいはありそうな核心部分に来てしばし固まる。その時、上からIさんの声が。「周りをよく見渡せばとんでもないガバホールドが有りますよー」。

「???、、、!!」。なんと自分の体の真後ろ(!)に大きなつらら上のコルネがぶら下がっているではないか!。このコルネに乗り移って直上することにより意外に簡単に核心が越せる。しかしなんというルートだろう。日本では考えられない岩の形状と発想があればこそ設定できたルートだろう。さすが四つ星。感激である。

最後の終了点へはまたコルネから元のルートに戻るのにキワドいムーブが要求される。ここの方が難しいかも。終了点でIさんに聞くと前に読んだ記録で予備知識があったとのこと。もし予備知識がなかったら気付かずに敗退してたかもである。

4P目 6B 22m 私リード

 3P目の終了点からさらに右上した後、90度近いコルネのある垂壁を直上する。最後の乗り越す部分はややホールドが甘く難しい。それに2P目で大分パワーを消費していたのでかなりきつかった。

5P目 6A 10m Iさんリード

 実質的にはHumanalityは4Pで終了。5P目は4P目の終了点から左に10mトラバースして懸垂の支点に移動するためのピッチとなる。しかし市原さんがトラバースして偵察してみると懸垂の支点としては貧弱なものでこれだったら4P目の終了点の方がよっぽど安心して懸垂できるとのこと。そこで4P目の終了点から懸垂して降りることにする。

 4P目の終了点から60mザイル3回の懸垂で取り付き(バンガローの裏)に降り立つことができる。登攀終了は1210だった。約3時間の充実した登攀だった。

 登攀終了後、トンサイバンガローで二人でトンサイヌードル(焼きそばをオムレツでくるんだようなもので美味!)を食べた後、Iさんと握手を交わし別れる。Iさんは3年後くらいには14台のルートを落としてメジャーデビューを果たしたいという壮大な夢を持つ関西クライマーでそのうち有名人になるかもしれない。そしたら一緒に登ったことがあると言って自慢できるかな???

 午後はプラナンウエストに戻ってYさんと一緒にビーチでのんびりと休息。Yさんは午前中、タイ式マッサージを満喫したようだ。ビーチでのんびりと日光浴した後は、シーカヤックをレンタルして海に繰り出すことにする。1時間のレンタルで150B也。

 レンタルショップ前のビーチから海に繰り出し、タイワンドウォール周辺からトンサイビーチまでYさんと息を合わせつつオールを漕いで一周する。川下りのカヤックはやったことがあるというYさんもシーカヤックは波がある分、勝手が違うのか四苦八苦している。僕はカヤックの経験はないが、レンジャーでのゴムボートでの水路潜入の経験がある。

 海からアプローチする必要があるエリアとしてはトンサイビーチのさらに西側にアオナンタワーという切り立った岩頭がある。ここに取り付くにはボート上でビレイする必要があると言うからボートをチャーターする必要があるのだろう。

 Yさんと一緒にボートを楽しんで日光浴した後は夕食をライレイビレッジでとり寝る。  
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January 26, 2005

プラナンでの初クライミング

 0700起床。はやり立つ心を抑えてまずは朝食。階下に降りるとバイキング形式の食堂があり、味、量共に満足できる朝食である。トーストと目玉焼きを食す。
食堂は海辺沿いにあり、海岸線と今日、これから乗る予定のロングテイルボート、それにプラナン岬が一望できる。

 朝食を早々と済ませ、大きな(スーツケース大×2に大型ザック!)荷物をかかえロングテイルボートの発着場へ。発着場に近づくと間髪を入れずに船頭の方から話しかけてくる。発音は適当でかなり聞き取りにくいがどうやらすぐにウエストビーチに行きたいのなら一人300B出せと言っているようだ。冗談じゃない、ということで有る程度人数がそろうまで待つことにする。といっても十分ほど経つと、白人男性4人組が現れ、めでたく商談成立。0850ウエストビーチに向け出発する。(一人50B)

 0900ウエストビーチ着。ちなみにロングテイルボートからの乗り降りは砂浜までジャブジャブと歩かなくてはならないのでサンダルが良い。船の発着場から滞在間の宿泊場所、ライレイベイリゾート&スパまではおよそ500m。やたら重いスーツケースを2個も抱え砂浜を歩くのはまるで拷問のようだ。やっぱり旅の荷は軽くした方が良かったと後悔。。。

 ホテルに着くと朝早いにも関わらずチェックインができラッキー。荷物を部屋まで運んでくれたポーターは妙に親切で、どこから来たとか津波の被害がどうだったとか聞いてもいないのにやたら教えてくれる。とりあえずチップをあげておくことにする(ちなみにタイでチップをあげたのはロングテイルボートの少年とこの人の二人のみ、基本的にチップの習慣はない国みたいだ)。リゾート&スパの部屋はエアコン完備のまさに絵に描いたようなリゾートホテルのゴージャスな部屋で大満足(^^)

浜辺での荷物運搬でかいた汗をシャワーで洗い流し(プラナン・インと違いお湯は大量に出る)早速、はやる心を押さえきれずにクライミングに出発。とりあえずトポを入手しないとなにもできないのでとりあえずクラビー空港で仕入れた半島の地図にキングクライマーズクラブが表示されているのでそこに行ってみることにする。タイに来る前に見たネットの紹介で良く見た名前だしきっとなにかあるだろう。イーストビーチへはリゾート&スパの敷地からコンビニを経て徒歩3分くらいで簡単にたどり着く。標識もあるから絶対に迷うことはないだろう。

キングクライマーズクラブは予想していたよりも大分しょぼいショップでいくつかのレンタルギアとトポしか売ってないようだ。店番をしていた若い兄ちゃんにトポの値段を尋ねると700B也。少し高いとも思ったが値下げ交渉には頑として応じない兄ちゃんの姿勢に負け700Bにて購入。

初っぱなどこへ行こうかと考えてみると日本でネットでいろいろな記録を読んできた限りではとりあえず初心者向けのエリアとして紹介されていた1-2-3エリアが一番近いと言うことでそこに行ってみることにする。キングクライマーズクラブからイースト海岸沿いに歩くこと5分でムエタイエリアとそれに隣り合う1-2-3エリアにたどり着く。

1-2-3エリアは初心者向けと紹介されているだけあって傾斜はそれほど強くもなくグレードも5、6aクラスが充実している。それだけにビギナーらしい外国人で結構混み合っていて、ここだけ見るとあまり日本の岩場とかわらんではないかという気分になってくる(日本人はいないが)。とりあえずタイの石灰岩の岩質を確認する意味も含めてCash Flow(5)にとりつく。ほとんど階段のようなルートで拍子抜けするも、やっとタイに来てクライミングができて嬉しさがこみ上げてくる。オンサイト。次にTRにセットし直してYさんが登っていると突然、後ろから日本人に声をかけられる。突然現れた日本人はIさんという方でアオナンから毎日このビーチに通ってきているらしい。Iさんは関西のクライマーでプラナンに来るのは2度目で今回は1ヶ月近くすでに滞在しているという話を聞くとどうやらフルタイムクライマーのようだ。なんて羨ましい!!Iさんに色々なエリアやルートのお勧め情報を聞くことができてだいたいプラナンの概念を掴むことができた。初日からラッキー!

次に1-2-3エリアに来たときから目を付けていたWe Sad(6a+)にとりつくことにする。これは6a+というグレードのくせに取り付きがいきなりジャンプしてコルネにとりつくというとんでもないルートでしかも長さが25mもある。でも難しいのは最初だけであとは石灰岩の醍醐味でもあるガバの連続で非常に面白いルートだった。オンサイト。

We Sadを登り終えてさて次はどこを登ろうかと思案しているとIさんからDuncan‘s Bootエリアの方に行くから一緒に行きませんかと誘われる。プラナンは初めての所でもあるしとりあえずいろいろなエリアに行ってみたいのでついて行ってみることにする。

 1-2-3エリアから左の方へ壁沿いに進んでいくと(我々が行くときはまだ完全に潮が引いてなかったので膝くらいの水の中をジャブジャブと進んでいった)岩場にアプローチする小径が出てくるのでそこを少し登るとそこがDuncan‘s BootやHidden Worldといったエリアだ。日当たりが良くないためどこか日本の岩場に似た感じで、逆に涼しくて良いかもしれない。しかもあまり人がいない。

次にIさんに案内されてJungle Gymエリアを通ってThe Keepエリアへと足を進める。この際のアプローチはJungle Gymエリアの壁と壁の間を通り抜けて最後にFIXロープ伝いに非常に怖いクライムダウンを強いられるのでできればハーネスをつけたままセルフをとりつつ下った方が良い。

Keepエリアは設定されているルートのほとんどが3つ星ルートというすばらしいエリアでなおかつやや奥まった所にあるためあまり人がいないらしい(現に我々が行ったときも我々以外には欧州人のアベック1パーティしかいなかった)。さらに壁の反対側はプラナンイーストの海が一望できるというロケーションも最高の所にある。

Keepエリアではまず最初にIさんお勧めのGengis Bond(6B)に取り付くことにする。このルートはなんと32m(!)もあるロングルートで必要なヌンチャクは15本。ズッシリとしたガチャの重さを堪能しながら登ることができるルートである。石灰岩でこれだけのスケールがあるルートは日本では二子山くらしか知らないがここプラナンでは二子山級の岩場がまだ未開拓でゴロゴロしているのだから石灰岩好きには本当にパラダイスだ。。。Gengis Bondは長いもののやはりガバの連続で落ち着いて登れば難しくない。(オンサイト)ちなみに僕のザイルは59mだがなんとかギリギリで取り付きに戻ってくることができた。

次にさらにグレードを上げてこれまたIさんお勧めのNut Cracker(6c)に取り付くことにする。取り付こうと思ったら先ほどのアベックパーティがすでに取り付いていたのでIさんとダベリながら待っていると、アベックの女性の方が核心らしき所を長時間トライした挙げ句、結局越えられず敗退して戻ってきた。そんなに難しいのかと改めて気合いを入れ直して登り始める。

出だしから中間部分まではガバの連続でそれほど難しくはない。中間部分、ガバホールドが突然なくなり、右方向へのトラバースが必要な部分が出てくる。ここが核心か。甘い縦ホールドを両手で持ち替えて微妙なバランスでのトラバースをこなせばこのルートは実質終了。あとはまたガバの連続で右上すると終了点が見えてくる。(オンサイト)。デシマルグレードに換算すると11.aになるがそれほど難しくは感じなかった。石灰岩は得意系だからやや甘く感じるのかもしれない。その後、もう我慢できないとばかりにTRでYさんが登る。

Nut Cracker終了後、お昼も大分過ぎているのに気付き、一路、イーストに戻って昼食にすることにする。最奥のKeepエリアからでも徒歩15分で戻ってこれる。ホントにプラナンって良い所だ。

キングクライマーズクラブ手前のバンガローでIさんとそのお友達2人と計5人で昼食を摂る。プラナンといえばシェークだが、Iさんお勧めのスイカシェークはお勧めだけあってなかなか美味。これまたお勧めのFried Riceも美味である。

食後、残された時間も少ないので手近なムエタイエリアで遊ぶことにする。今回の旅の目標は7aをどれか一本落とすということにあったのでムエタイエリアのOrange Tears(7a)にとりつく。このルートは見れば一目瞭然で、核心の1手が届くか届かないかで上れたり上れなかったりするらしい。ということでチャレンジするも結局、最後まで登ることはできなかった。。。核心の1手はかなりのボルダームーブが要求される。う~ん、残念。Yさんのために隣のNuat Hin(6a)を登ってTRを張り、この日のクライミングを終了する。

本当に日が暮れるまで楽しんだが、宿泊先は目と鼻の先に有るので僕らは全然、問題なし。一方、アオ・ナンに宿を取っているIさんは夜になるとボートが80Bになるとぼやきながら駆け足で戻っていった。

夜はBayResortのレストランで○○を食す。浜辺に打ち寄せる波の音をバックにキャンドルの明かりの中で食べるタイ料理はまた格別である。本当に来て良かった。

  
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January 25, 2005

いよいよプラナンへ

 0600起床。最終的に荷物と成田に向かう道順を確認。

 0730出発。357号から千葉中央ICを経て湾岸経由、一路成田に向かう。意外と道路は流れており0800成田着。ニューUSAパーキング(6日間で3000円也)に車を起き、バスで成田エアポートへ。チェックイン手続き終了後、カフェで朝食。Yさんはホットケーキを食す。チェックイン時にANAかと思っていた窓口がタイ航空での手続きとわかり少し混乱。ANAとタイ航空のコラボレーション(?)飛行なので同じ飛行機にもかかわらずANAとタイ航空の両方の便名が付いている。なんともややこしい話だ。

1045成田発。機内サービス等はANAの乗務員がやっており、機内食も美味しく大満足。エコノミークラスにもかかわらず各座席にTVディスプレイが付いており、バンコクに着くまでに2本(「スチーム・ボーイ」と「キャット・ウーマン」)も映画を観てしまう。座席間隔がやや狭くちょっと窮屈な所が難点か。

 1645(現地時間1445、以下現地時間)バンコク着。そういえばバンコクの正式名称はバンコク・~~・##・、、、とかいうやたら長い名称だった事を突然思い出す。成田の気温は4℃だったがバンコクの気温は32℃!その気温差に体がビックリする。

バンコクからクラビへのタイ国内線に乗り換えるためにターミナルを移動する。約500m位の長い通路をカートを押しながらガラガラと移動。そういえば日本に来た外国人は国際線から国内線への乗り換えを成田から羽田まで電車で1時間以上かけてやっているのか。。。なんて日本は不便な国。

 国内線への乗り継ぎの空き時間を利用してバンコク空港で生野菜を食す。パックにたんまり生野菜で60B(バーツ:1バーツは約3円)。プラ/ナンへ行ったらあまり生野菜は口にしない方が良いという情報があったのでここで食いだめておこうと思い、たっぷりと食べておく。

 1800バンコク発。タイ航空は座席間隔が広くてなかなか快適。ただし座席にテレビはナイ。ここでも機内食がでるが味は「・・・」。機内食の中にカップに入ったミネラルウォーターとトロピカルジュースが有る所がいかにもタイっぽい。

 1900クラビ空港着。もう外はさすがに真っ暗だ。外に出たとたん、ムワッとした外気におそわれ外国に来たことを痛感する。ここから今夜の宿泊場所、プラナン・インに向けタクシーで移動しなくてはならない。タクシーと言ってももちろんメータのある日本式のタクシーではなくただの私有車をタクシーとして運用しているいわゆる「白」タクシー。いよいよ外国人と初めて英語での交渉を強いられる緊張の一瞬でもある(^^)。タクシーターミナルにある値段表を見ると500Bとなっており、Yさんが400Bと聞いてきたと粘るも、結局、表示通りの金額でプラナン・インのあるアオナンビーチへ向け出発。約40分でアオナンビーチに着く。

 アオナンビーチに向かう道中、タクシーは一般道を80キロ近いスピードで爆走。メータを見ると320キロまで表示が有る所をみるとこの国はスピード制限という言葉とは無縁なのか?(ただし道路脇には時折40mphという表示もあったりする)。そんな爆走するタクシーと併走するようにノーヘル、3人(!)乗りのバイクが爆走する愉快な町でもある。

 アオナンビーチはプラナンへ向かうテイルボートの発着する船着き場のある町で(他にもクラビタウンからプラナンへテイルボートで行くという手もある)夜だというのにネオン瞬く原宿のような町でもある。プラナン・インにチェックインをした後は、町に繰り出し初めてのタイ・ディナー。トムヤンクンの辛さにノックダウンされた後は、町中を見物。インターネットカフェなども所々にあり、予想以上に開けている。明日からのクライミングに万全を期すため、早々とホテルに帰り就寝。
(ちなみにホテルのシャワーはお湯ちょろちょろでちょっとがっかり)

  
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