June 21, 2006

警衛下番

 着々と進む撤収準備

 警衛勤務を終え、部屋に帰ってみると既に部屋の電話機が撤収されていた。。。

 昨年末あたりから撤収の雰囲気が伝わっていたので、イラク復興支援軍としては撤収関係の計画・調整は、すでに終えていた。撤収命令は、いまかいまかと待ち受けていたのが実情だ。つまり昨日の政府の発表を契機に実行に移したというのが実情。

 厚生センターのITルームのFOMA端末も半減している。食堂のジュースも減っているようだ。

 宿営地内の各所では倉庫内の整理や天幕の撤収、コンテナの移動などが始まっている。

 宿営地全体が撤収に向けて動き出した格好だ。  
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June 20, 2006

撤収命令発令

 本日、ついに撤収命令発令

 小泉首相が日本時間1300(サマワ0800)陸上自衛隊のサマワからの撤収を表明。サマワの撤収が7月末までに実施されることが決定した。

 また、撤収支援要員として約100人(内、10人がサマーワ入り)をクウェートに後送業務輸送隊として派遣。税関手続きや車両の洗浄を実施することが決まった。

 撤収時には武器、車両、通信機材などは持ち帰る一方、食器や事務用品、小型家具などは残していく方針だという。宿泊施設は解体せず、ムサンナ県などの地元行政組織に引き渡すということだ。(ちなみにサマワ宿営地の土地の賃借料は12月分まで前払い済み)

 日本がアメリカのブーツオンザグラウンドの要望に沿ったイラク復興支援もこうして幕引きが決まった。
  
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June 19, 2006

J任務(タリル空港)

 3回目のタリルミッション。慣れてきたときが一番危険なとき。細心の注意を払いながら任務に当たる。

 任務としては業支隊員2名(技官)の輸送。入れ替わりに建設関係の技官2名を乗せ、サマワに帰隊する。
日中のうだるような暑さの中、自重4トンを超えるLAVのディーゼルエンジンの熱が肌を焼く。

 ついにマリキ首相がムサンナ県の治安権限委譲を発表。ムサンナ県を他地域に先駆けてモデルケースにしたいようだ。これで陸上自衛隊撤収のお膳立ては整ったと言っていいだろう。  
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June 16, 2006

警衛

 本日、読売新聞で陸上自衛隊の撤収が報道された。

 多国籍軍からムサンナ県に対する治安行政権限の委譲が20日に発表される予定。

 これを受けて日本政府は陸上自衛隊の撤収を今月下旬に決定する方向という内容だ。近くロンドンで開かれる日英豪米の四カ国協議で決定されるらしい。


 本日は警衛勤務。

 ロードスパイクの誤作動により業者車両のパンクが発生。

 前回(12日)のASLAVパンク事案に引き続いて2回目のミス。発電機整備に絡むパンク事案だけにヒューマンエラーというだけではすまされないものがある。

 また先日の役務警備員ラーシムによる室外機盗難事案。ラーシムは減俸と引き換えに引き続き勤務することを許すと言うことで一応、決着をみた。

 かなり甘い処分といわざるを得ない。

 が、イスラム世界では窃盗は重罪であり、もしイスラム社会で窃盗が公になった場合、手首を切断するという話もある。窃盗に対する処分をあまりおおっぴろげにはできないようだ。

 ラーシムは部族長であるアル・ハッサンの次男坊であり、アルザイヤード族の中ではかなりの高い地位を占めている。良いトコのボンボンだけにわがままに育ったようだ。
  
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June 15, 2006

J任務(スエイル水道橋+鉄道橋点検)

 
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                            <豪軍ASLAV>


 今回のJ任務の目的地であるスエイル水道橋はサマワ市内を抜けて、荒涼とした荒れ地と田園風景が交互に現れるようになったところに位置する。

 総部族長道を右に折れ、200m位進んだところで一段低くなった川原部分にその水道橋はあった。

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 駐車スペースは5~7台位の駐車が可能で、車両の反転も可能なほどの幅を有する。

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 今日は水道管の完成点検ということで、水道管から水を出し、みんなで乾杯をする。当然、警備の任務をしている我々はその乾杯に参加することもなく外周に目を配る。

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 にこにこした子供達の笑顔に吸い込まれそうになりなるのを必死にこらえるのも任務だ。

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 次の目的地である鉄道橋は総部族長道沿いに位置する。

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 道幅が狭く、土質も悪いため現地人の車がスタックしている。車種はなんとセルシオ。イラク人が貧しいなんて誰が言っているんだ?

 子供達まで携帯電話持っているし。。。  
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June 12, 2006

イラク人役務による窃盗事案発生

 警衛交代時、前任の警衛隊長からの申し送りによると、#0G(ゲート)に設置してあるエアコンの室外機盗難事案が発生したらしい。

 犯人はどうやら#0Gで役務警備についてるイラク人役務、ラーシムのようだ。

 試しにゲートに設置してある監視カメラを確認すると、カメラの記録映像に、窃盗を行っているラーシムの顔がばっちり写っている。これは確実な証拠だ。

 ラーシムを呼んで盗難事案のことを問いつめる。

 当初は、しらを切っていたラーシムも、監視カメラの映像を見せるとぎょっとした様子。

 それでも、「これは俺の兄貴の顔だ」などとしらを切ろうとする。

 最終的には映像をラーシムの父親である部族長に送るぞ、と脅すと罪を認め、一転、頼むから許してくれと泣きついてきた。

 とんでもない奴を雇ってしまった。。。  
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June 11, 2006

J任務(ワルカ浄水場)


 本日のJ任務からJLAV×2、LAV×4、HMMV×1と7台編成となった。

 6台から7台体勢に移行したことにより、HMMVに対する防護がより強化されることとなったが、反面、1コJ任務あたりに必要な警備人数がより増えることになった。
 単純計算でも、警備に最低18名の人数が必要になる。

 本日はワルカ浄水場における活動。

 昨日のブリーフィングでの情報としてはワルカ浄水場へ行く経路の途中にあるアイロン橋(Black Fryers)はパネル橋のため通行止め。またアルム橋(West minister)もデモ等で閉鎖されているらしい。経路の変更を余儀なくされる。


 宿営地を出発。

 ワルカ橋付近は商店街が存在するため非常に混雑。

 今回の活動地域であるワルカ浄水場は、施設が2階および屋上部分を有するため、立体的な警備が必要になる。屋上等を活用した定点監視肖を設置することで対応した。

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 活動していると、たくさんの子供が寄ってくる。子供に取り囲まれ、対応に右往左往。


 夜は豪軍LOとのBBQ。親交を深めた。  
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June 10, 2006

豪軍との共同訓練

 現在までの復興支援の状況は6月1日までに学校やスタジアム、病院など112カ所を完了。現在、19件の工事を実施中である。

 また、自衛隊は宿営地外で1日500人の雇用を維持、宿営地内(1日600人)をあわせるとトータル1日あたり1100人のイラク人を雇用している計算になる。

 イラク全般の情勢としては(6月8日のマリキ首相による発表によると)バグダッド北方のバアクーバの空爆により、28億円の懸賞金がかけられていた、ヨルダン人テロリスト、アブサム・ザルカウィ容疑者の死亡が確認されたということである。空爆には500ポンド爆弾2個が使用されたということで、相当、大がかりな作戦であったことがうかがえる。

 また治安関係3閣僚(内相、国防相、国家安全保障)が決定。英豪軍による南部4県(ムサンナ、ナシリヤ、バスラ)の治安維持は新イラク軍(2コ旅団:5000人)およびイラク警察(6000人)に権限委譲されることが決定した。

 これらの状況を総合すると、政府が発表した陸上自衛隊のイラクからの撤収の4要件(政治プロセスの進展、治安権限の委譲、多国籍軍の動向、復興の進展状況)が満たされつつあることがわかる。

 近いうちに(自衛隊の撤収等)大きな動きがあることが予想される。


 午後からは豪軍との共同訓練が開始された。

 大きくは不測事態対処訓練で、故障車が出た場合のASLAVによるレッカー要領等が展示された。またASLAVの内部構造の研修や自衛隊の持つジャマー装置の性能確認、日が暮れてから夜間走行訓練までを実施した。

  
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June 09, 2006

水虫治療

 イラクに来て以来、戦闘靴の中が蒸れるためか水虫になってしまった。。。

 今日は受診のため医務室へ行くことにする。

 ほとんどの隊員が水虫に悩まされている。
 50℃を越える酷暑の中、防弾チョッキにヘルメット、ブーツを履いているから当たり前といえば当たり前だ。
 足の水虫を放っておいて、手まで水虫になっている隊員までいる。

 飲む水虫薬として内服薬のラシミールの錠剤を処方してもらう。
 飲むタイプの水虫薬は人生で初めての経験だ。
 相当、強い効き目があるらしく、医務官からは必ず1週間後に症状を見せに来るように何度も念を押される
 (結局、忙しくて行けなかったが・・・)

 あわせて外用薬のラシミールクリーム(アリルアミン系抗真菌剤)をもらい患部に薄く塗布する。

 このラシミールという薬は市販の薬より数倍、強力らしく、塗布を続けていたらしばらくして水虫は治ってしまった。

 自衛隊の薬はよく効くのである。

 水虫の隊員と同様、患者が多いのがスナバエによる虫刺されの患者である。小隊の隊員の中でも5~6名がひどい虫刺されに悩まされている。隊員の体をみると体中に赤い斑点がぽつぽつと数十箇所に現れており、悲惨な状況だ。  
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June 08, 2006

警衛勤務

 本日もサマワ市内でデモが発生しているようだ。

 市内は交通渋滞が激しいため、市内への車の流れをストップさせるために、西IP付近で通行止めが実施されているとの情報が入る。

 朝から西IP付近で大渋滞が起こっているのは、どうやらデモが原因のようだ。


 一方、イラク人役務達は先日の賃上げ交渉が賃上げということでまとまったので、おとなしく勤務している。

 デモ情報によりサマワ市内に向かうJ任務はすべて中止となる。

 そんな中、イラク駐留イタリア軍の准将がヘリで来隊する。

 復興支援群長と会談を終えた後、豪軍ASLAVとブッシュマスターに守られつつ宿営地を出て行った。

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                            <ブッシュマスター>
  
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