December 22, 2017

Sami's Cliff / Ajloun

 今日はLaithを誘って、Sami's Cliff/Ajlounへ。

 ヨルダンに来たばかりの4月頃に一度行ったことがあるが、当時、既に日向は暑くて2本くらいしか登らないですぐに帰った記憶がある。さすがに12月だったら快適に過ごせるだろう。

 前回はかなりの人が居たものの、今回、岩場は貸し切り。

 到着後、まずはエリア中央にある「6a+」でアップ。(Sami's Cliff)の多くのルートはルート名がなく、グレードしかわからないので、とりあえずグレーディング表記のみとする。)

 MOS。



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                 <「6a+」>
 
 出だしから細かいホールドとスタンスを駆使して、垂壁を登っていくルート。

 出だしが核心。

 Laithにはちょっと厳しそうなので、トップロープで登ってもらう。


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                <「6a+」を登るLaith>


 続いて、「6a+」のすぐ左隣にある「6b」にトライ。MOS。


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                     <「6b」>

 こちらも出だし、クラック~フェースに乗り移るところが、結構悪い。


 2本でアップを済ませた後は、いよいよ本日のメインディッシュ、Sami's Cliffの最難課題「7a」にトライ。


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                    <「7a」>

 オーバーハングした出だしから上部はほぼ垂直の壁を頂上までつき上げていく、美しいライン。

 グレードは7aだけにぜひマスターでオンサイトしたいところだ。


 登攀開始。

 出だしはハングの右側部分から始まり、すぐに垂壁地帯に入っていく。

 垂壁地帯下部は意外にホールドが豊富。ボルトに導かれるように左へとトラバースし、カンテに至る前のところで再び、上方向に進路を変える。

 壁の中間部、そこまで順調に来ていたが、突然、ホールドがなくなる。ここから数メートルが核心のようだ。しばらく止まって考える。

 次のボルトは右上方3メートルほどのところ。

 上部2mほどの所を見ると、大きく出っ張った突起のようなものが見え、ガバホールドに見えなくもないが、そこまでのホールドはかなり乏しく、行ったが最後、もしそれがガバじゃなかったり、ライン取りが間違えていたとしても、もとの位置に戻ってくるのは困難に見える。

 一方、レストポイントから右側にも細かいながらもホールドとスタンスが続いており、一度右にトラバースした後に、上方へ登ることも可能そうだ。

 どちらにラインをとるべきか、しばらく悩む。


 ビレイをしているLaithがしびれを切らしてきたので、思い切って右側にラインをとり、登り始める。

 右トラバースは結構悪い。慎重にスタンスとホールドを選び、1メートルほど右にトラバースした後、上方にラインを切り替える。


 どうやら正解だったようだ。無事に次のボルト位置まで到達し、クリップ。

 安定した後、左側を見てみると、さきほど下からみたらガバホールドのように見えた突起は、上側がなだらになっていて、とてもガバと呼べるようなホールドでないことがわかった。


 後は慎重に壁の上部までガバをつないでいき最終ピンにクリップ。MOS成功。


 久しぶりに、ライン取りの読みがあたって爽快なオンサイトクライミングが堪能できた。


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                <「7a」をMOSする私>

 
 その後は、Laithのビレイに徹する。

 帰り際にさらにもう一本、「6b+」をMOSして、本日のクライミングは終了。

 エリア最難も登ってしまったので、もはやSami's Cliffに来ることはないかもしれない。

 でも、日当たりと見晴らし、それに冬なら居心地も良いので、ヨルダンではかなりお勧めのエリアの一つと言えるだろう。


 Laith、本日は付き合ってくれてありがとう!
  
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December 09, 2017

Rasoun / Ajloun

 今週は、先週に引き続きRasounへ。狙いはまだ触っていない「Marcus(7c+)」。

 パートナーはドイツ人のPauline。彼女にとっては初めてのRasounエリアだ。

 到着後、まずはアップでBlood Suckerエリアの「Karbaneh(5C+)」へ。MOS。



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            <「Karbaneh(5C+)」>

 出だしからオーバーハングした壁をガバを利用してグイグイ登っていくルート。アップにはちょうど良い?

 エクステンションで「Karbaneh Extension(7b+)」もあるから、今度、機会があったらそちらを触ってみよう。


 続いて、Redエリアの「Have a nice Flight(6a+)」へ。MOS。

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           <「Have a nice Flight(6a+)」をTRでトライするPauline>

 Redエリアのルートはどれも長く、かつグレードも辛めだと思う。トライする方は慎重に。


 そして、いよいよ本日のメイン、「Marcus(7c+)」へMOSトライ。



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                 <「Marcus(7c+)」>

 MOSトライ。

 出だしは洞窟状ケイブの側壁からオーバーハング地帯を越えていく。

 オーバーハング地帯でいきなりテンション。MOS失敗。

 オーバーハングを越える所のポケットホールドが浅く、かつホールドがないブランクセクションがある。

 しばらくムーブを探り、無理やり力ずくで超えるが、ムーブがいまいち判然としない。


 その後、オーバーハング地帯を越えた後は、しばらくガバが続くが、続いて第2の核心が現れてまたまたテンション。ルートの中間部にあたるここは、右回りに行くか直登していくかの二つの登り方が有り得るが、いずれをとっても持久力を相当使ってしまいそうだ。


 そして、第3の、最後の核心は終了点直下。このパートは、技術的にはさほど難しくないが、ここまでで相当パワーを使っているので、力を残しておかないと超えることができない。

 とりあえず、1時間ほどかけて何とかトップアウト。しかしムーブはいまいち判然としない。
 さすがに7C+だけあって、簡単には登らせてくれそうもない。

 とりあえず、ムーブ探りの2便目を出して、本日は終了。

 また、次の機会に頑張ります!

 Pauline、本日は付き合ってくれてどうもありがとう!^^
  
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December 05, 2017

色んなナンバープレート in Jordan

 ヨルダンに来て、はや半年以上が経つが、ヨルダンの道路には様々なナンバープレートを付けた車が走っていて面白い。

 島国である日本では、日本のナンバープレート以外の一般車を見ることはほとんどないが、中東の「へそ」に位置するヨルダンには、陸続きの色んな国からの車が流れ込む。



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                <これはUAE(ドバイ)>

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                 <これはクウェート>



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          <これはレバノン(右端にアラビア語で「レバノン」と書いてある>


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          <これはサウジアラビア(KSAはサウジアラビアのこと)>


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              <これはアメリカ・ヴァージニア州(陸続きじゃないけど)>


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                 <国連(United Nations)>

 これ以外にもリビアやエジプトの車が走っているのを見たことがあります。

 現在、シリアは内戦状態、イラクは治安が不安定なせいか、陸続きにもかかわらず、両国の車は見たことなし。

 また、なぜかイスラエルの車も見たことがないんですが、これは複雑かつ微妙なパレスチナ問題とかがからんでいるからでしょう。(多分、イスラエルナンバーの車が走っていたら、危険)

 いつか中東地域にも平和が訪れて、EUみたいに自由に国境が越えられるようになる日が来て欲しいものです。  
Posted by straysoldier at 23:00Comments(0) Life in Jordan 

December 01, 2017

Warda al Hamra(Red) / Rasoun

 今日はヨルダン人クライマー、Jamalと一緒にRasounへ。

 到着後、まずはアップでStepping Stone(6b)へMOSトライ開始。MOS。



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                <Stepping Stone (6b)>

 アップで取りつくには、30mとルートが長いのも手伝って、結構悪いかも。



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                <Stepping Stone (6b)にトライするJamal>


 続いて、Bad Bad Wolf(6c)にMOSトライ。MOS。


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               <Bad Bad Wolf(6c)>

 これまた結構悪い。

 Redエリアはどれもルート長が30mと長いので、それなりに持久力を要する。また終了点もボルトが盗まれていたり、そもそも設定されていなかったりするので、トライするならば自分で予備のシュリンゲの準備と、終了点の設置方法を習得しておくのが必須。


 続いて、Blood Suckerにエリアを移して、本日のメインディッシュ、Jad Finger(7b+)にMOSトライ。


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                 <Jad finger(7b+)>

 下部は6cくらいで簡単。上部に行ってカンテ~凹角に入っていくところが核心か。

 カンテから凹角に乗り移ることろで、しばらく止まって考える。あまり早く入り過ぎても凹角の中はホールドが皆無だし、カンテを登り過ぎても行き詰ることが目に見えている。

 ボルトの位置を慎重に見極めた後、思い切って凹角に移る。

 凹角の中は、誰も取りついていないせいか、砂だらけ。壁に積もった砂を払いのけて、スリップしないように慎重に高度を上げる。

 凹角の中で、かなり厳しい態勢でのクライミングを強いられたが、何とか持ちこたえて、右のカンテにあるボルトにクリップ。


 そして、凹角を抜けて上部に身体を出せれば、あとは終了点まで快適なクライミングが続く。

 MOS成功。7b+のMOSは初めてのことで、MOSグレード更新だ。


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            <Jad finger(7b+)をMOSする私>

 続いて、最後にRedエリアに戻ってMabarf(6c)にMOSトライ。MOS。


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                 <Mabarf(6C)>
 

 今日は、初めてのエリアで1日中登って1度も落ちなかったのと、MOSグレードを更新できたのがうれしい、充実した1日だった。

 Jamal、今日は付き合ってくれて、どうもありがとう!(^^)
  
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November 25, 2017

Hammad's Route / Jabal Rum / Wadi Rum

 昨日まで2日間の非常にアドベンチャラスなクライミングのせいか、3日目の今日は、疲れていて、もはやあんまり登る気がしない。

 それでもせっかくWadi Rumに居るので、どこか簡単な所を登ってみたい。

 昨日、Eye of Allarを下降ルートとして使用してみて、やっぱり下降ルートは事前の確認が必要と痛感。特にWadi Rumは地形が複雑で、下降が夜になることも多いため、遭難の危険性が高い。トポもあんまりたよりにならない、ということであればなおさら事前の確認が必要だ。

 ということで地形把握とハイキングを兼ねてHammadルートを時間の許す限り登ってみることにする。

 10時頃にヴィレッジを出発して、Hammad Domeへ。ベロのようになっている地形を左側から回り込み、ガレ場を登る。


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              <Hammad Routeへつづくガリー>

 取りつきはいまいち不明瞭だが、ガリーをつめられる所までつめると、大きく右上するクラックが現れるので、それを登るのが正解のようだ。


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          <Hammad Routeのとりつき。このクラックは5+~6aくらいはある>


 2ピッチの登攀を終えると、リッジにたどり着き、終了点が見える。


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 リッジをJabal Rumへ向けたどると、Eye of Allar の洞窟が見えてくる。

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           <昨日、懸垂下降を開始したEye of Allarの洞窟>


 Hammad RoutteとEye of Allarとか分岐するGreat Seqへの下り口を探すと、リッジの左側に、一条の細いチムニーが谷底へと続いている。これがどうやらGreat Seqへ下る通路のようだ。

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 チムニーを10分ほどクライムダウンすると、そこはもうGreat Seqの谷底。

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               <Great Seqの谷底>


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             <Hammad Routeへはここから左に登っていく>

 無事にGreat Seqの形状が確かめられたので、本日はこれにて終了。

 今回Hammad Routeをたどってみて、改めてJabal Rumの地形の複雑さを確認できた。

 もし、日本からヨルダンにクライミング遠征に来て、初めてJabal Rumに取りつく際には、まずはHammad Routeを登ることをお勧めする。この地形を理解しておかないと、他のルートを登れたとしても下降で難儀することになるだろう。

 Marwan、今回は3日間のクライミングにつきあってくれてありがとう!(^^)  
Posted by straysoldier at 23:30Comments(0) Multi Pitch Climbing 

November 24, 2017

Inshallar Factor(15P, 6c) / Jabal Rum / Wadi Rum

 今日はMarwanと、ワディラムのクラシックの名作中の名作の一つ、「Inshallah Factor(15Pitch、6c)」に挑戦することにする。



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      <Jabal Rum東壁。どでかい東壁の中央にあるクラックを頂上左肩までつき上げるのがInshallar Factor。15ピッチもある長いルート>

 ワディラム・ビレッジから目の前にあるJabal Rumへの緩傾斜帯をゴールドフィンガーに向けてアプローチ。登り切ったところからテラス状の所を右側に回り込むと、ワディラムらしからぬしっかりとしたビレイポイントが現れる。ここがとりつきのようだ。


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 早速、準備してスタート。


1ピッチ目(6B)Marwanリード OS


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            <1ピッチ目をリードするMarwan>

 簡単なクラックを登る。フィンガー部分に乗り移る所が結構悪い。

2ピッチ目(4+)私リード OS


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 簡単なチムニーを登る。


3ピッチ目(6a)Marwanリード OS


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 左側にもルートっぽいのが見えるが正面に見えるチムニーからフィンガークラックーを引き続き登る

4ピッチ目(6a)私リード OS

 チムニーを引き続き登る

5ピッチ目(6c)Marwanリード OS

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 核心ピッチ。

 当初のハンドサイズのクラックから核心部分はところどころクラックが閉じるフィンガーへと続いていく。核心部分はカムやナッツでプロテクションがとれる所はない。ピトンがベタ打ちされている。

 核心部分は指が入るところが限られていて、結構悪い。確かに6cくらいはあるだろう。

 核心を超えたら右側に乗り移っていき、ハンギングビレイ・ポイントへ。

6ピッチ目(6a)私リード OS

 クラック沿いに左上しつつ登る。



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           <6ピッチ目をフォローするMarwan>

7ピッチ目(5+)Marwanリード OS

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        <7ピッチ目をリードするMarwan>

 クラック沿いにしばらく直登した後、左方向に大きくトラバース。


8ピッチ目(5+)私リード OS

 さらに大きく左方向にトラバース。この辺になると、ビレイポイントもないため、明確なルートは判然とせず、なんとなく「左方向に登った方が良いだろう」という感覚的なルートファインディングで登る。ちなみにここ(下の写真)のクラックは体感6a~6a+くらいはあったので、もしかしたら本当のルートは違うのかもしれない。


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9ピッチ目(6a)Marwanリード OS

 上部に見える大きなテラスに向かって登る。

10ピッチ目(3)私リード OS

 テラス目指してひたすら左に向かって登る。ここもどう見ても3級ではなく6aくらいはありそう。

 ただ、ワディラム唯一のトポ「Treks and Climbs in Wadi Rum Jorda」を編纂したTony Howardは、実際にはほとんどのルートを登っておらず、人からの伝聞で書いているというから、トポのグレードの方が間違っているのかもしれない。しかも30年前だし。


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           <10ピッチ目をフォローするMarwan>

11ピッチ目(3+) Marwanリード OS

 上部に見える大きなチムニーに向かって登る

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12ピッチ目(2) 私リード OS

 トンネル・チムニーの奥に向かってひたすら歩く。どうやらここが最終ピッチへ突き抜ける「Fire-Exit Chimney」のようだ。


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               <Tunnnel Chimny 内部。ハエがすごい。。。>

13ピッチ目(4+/5) Marwanリード

 トンネルの最奥部についたら、そこから頂上に見える開口部へ向かってひたすら登る。

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14ピッチ目(5) 私リード OS

15ピッチ目(5) Marwanリード OS

 傾斜が緩んできて、開口部が近づいてくると、突然、目の前が開けてお鉢状になった場所が現れる。
 ついに終了点だ! 長かった。。。


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                <終了点の目印となる木>

 全ピッチオールOSで終了。総登攀時間は8時間。15ピッチもあるから、かなり時間がかかってしまった。
 
 そして、時間は既に1630。のんびりとしても居られない。



 取り急ぎ、下降路として推奨されているEye of Allar方向へと移動。

 お椀状の場所から左方向へ移動していくと、洞窟のような場所へと導かれる。

 そこが、Eye of Allar のまさに「目(eye)」の部分だ。


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           <Eye of Allar の洞窟。下から見た時の「目」の部分。>

 Eye of Allarの終了点から懸垂をくりかえす。

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 しかし、3ピッチ降りたところで、ビレイポイントも、ビレイポイントの代わりになるような立木も残置もないテラスに降り立ち、万事休す。ここはホントにEye of Allarのルートなのだろうか?

 しばらく降りられそうなところを探してウロウロするも、日が暮れてしまい、真っ暗な夜が訪れた。

 左側方向に降りていくと、Great Seqの深い谷。谷底がどれくらい深いのかは暗い中、判然としない。右側方向はJabal Rum東面側で、オーバーハングしているせいか何も見えない。もし懸垂下降で降りていき、ビレイポイントが見つからなかったら、それこそ万事休すだ。


 ってことで、ビバークで一夜を明かすことを覚悟した時、Marwanが東面方向へ降りていくことを提案。

 真っ暗な中、未知の岸壁を降りるのに抵抗はあったが、ローカルクライマーのMarwanが「大丈夫」だという。きっと何か自信のようなものがあるのだろうか。


 テラスから東面方向へ懸垂を開始する。

 Marwanが60m降りきったところでコール。続いて、降りていくと、そこはビレイポイントも何もない岸壁の中。。。。Marwanは壁の途中にあるちょっとした突起物にスリングを巻き付け、それをアンカーにしてさらに降りるという。かなり不安なテンポラリー・アンカー。

 そして、懸垂が終わったロープを引き抜こうとひっぱると、、、途中でひっかかった! 我々のいる位置から15mほど上方でロープが引っ掛かっているように見える(既に真っ暗なので、ひっかかっている場所も良く見えない)。そして、そこまでの間は、プロテクションもとれないフェース面。さらに、我々が作成した突起物にひっかけただけのアンカーは、支点としての強度は、かなり頼りない。

 ってことで、壁の途中でのハンギング・ビバーク(←ほぼ遭難だけど)を覚悟。しかし、Marwanはここから登り返して、ロープを回収してくるという。

 しかし、もしMarwanが途中で落ちた場合、プロテクションがとれないだけに、大フォールに伴う大けがは必至。それに加え、今、ぶら下がっているテンポラリー・アンカーは強度的にMarwanの大フォールに耐えられるか、かなり怪しい。

 下手すれば、アンカーごと吹っ飛んで、二人とも地面まで真っ逆さまに落ちて叩きつけられる。


 かなり悩んだが、ここはMarwanの度胸と技量にかけてみることにする。

 Marwanが登り始める。

 目の前にある岸壁は砂岩で、すべてが脆い。
 しかも誰も登ってない壁なので、ホールドが一つとして信用できない。
 そんな中でもMarwanは果敢に暗闇の中を登っていく。

 そして、15mほど登って、ついにロープのひっかかりを解除!

 しかし、ここからが本番。クライマーならわかるが、実は登り返しよりも、垂直の壁のクライムダウンの方が、はるかに難しい。


 慎重にクライムダウンを繰り返すMarwan。そして、5mほど下りたところで、握りこんだホールドが取れた!、、、しかしMarwan、何とか態勢を持ちこたえる。いいぞ!

 そして、、ついに、Marwanがアンカーの場所まで戻ってきた。Marwan、あんた、男だぜ!(笑)


 二人でロープ回収の成功を祝い、更にテンポラリー・アンカーから60mの懸垂を行なうと、そこはテラスの上。

 恐る恐る下をのぞき込んでみると、、、そこはヴィレッジまで続く緩傾斜帯の上。なんとか生還できたようだ。

 22時過ぎ、無事、下山。

 今までのクライミング人生の中で、最もスリリングな下降でした。。。
  
Posted by straysoldier at 22:30Comments(0) Multi Pitch Climbing 

November 23, 2017

Devils Tail (11P, 7b)/ Jabal Um Ishrin / Wadi Rum

 今週末はMarwanと一緒にWadi Rumへ。

 Marwanはヨルダン人の中では、ずば抜けた才能と経験を持っているクライマーの一人。純粋なクライミング能力では、私よりも上だろう。未知のマルチピッチルートに挑むには、これ以上ないくらい心強いパートナーだ。

 というわけで、今日はWadi Rumにある現代的なマルチピッチルートの一つ、「Devils Tails (11P, 7b)」へ。Slovenia出身のトップクライマーKleme BeganがWadi Rumで登りこんでいた時に作ったというハード・マルチピッチだ。

 さすがにこのぐらいのグレードのマルチピッチ・ルートになると、ヨルダン人でパートナーを組むとしたら、Marwanくらいしかいない。

 ヴィレッジからSlovenian Caveへ移動して、早速、ルートに取りつく。

1ピッチ目(6b+) 私リード RP

 以前、このピッチだけ取りついてオンサイトしたルート。ワイド・チムニーだが、所々、ガバ・ホールドがふんだんにあり、ワイドっぽく見えるが簡単に登れる。


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                  <1ピッチ目>


 チムニーが狭くなり、テラスっぽいところまで到達したら、左に大きくトラバースすると、FIXロープが見える。


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                 <1ピッチ目終了点。>


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            <1ピッチ目をフォローするMarwan>



2ピッチ目(6a) Marwanリード OS
 簡単な緩傾斜を登っていく。簡単だが、登りはじめからしばらくはプロテクションがとれないので慎重に。
 

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           <2ピッチ目をリードするMarwan>


 2ピッチ目終了点まで登ると、上部岩壁が見えるようになる。「Devils Tail」の名前通り、上方に大きく伸びる岩頭が目に入る。あれが「悪魔の尻尾」か。


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       <2ピッチ目終了点から見上げた上部岩壁。中央、上に向かってジグザグにそびえ立つ岩頭が「悪魔の尻尾」>


3ピッチ目は3級程度の緩傾斜帯を歩いて上部岩壁のとりつきまで歩く。


4ピッチ目(7b) 私リード
 ルート最難ピッチ。岩壁下部のとりつきまで近づいて来ると、角度の広いコーナー・クラック沿いに打たれたボルトが見えてくる。これが核心ピッチ。



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 ボルトはクラックでのプロテクションがとれない2本目までが打たれており、その先はクラックでとるようだ。コーナークラックがなくなったところから再度ボルトが上部まで続いている。

 しばらく形状を観察した後に、いよいよトライ開始。

 出だし、台状になったテラスに上がるところからだが、ここからして結構悪い。なぜなら、誰も登らないからだろうが、砂だらけでスリップしまくる。。。なんとか這い上がって、1ピン目にかけてホッとする。

 クラックに手が届いたらあとはこっちのもの。2ピン目にクリップして細いクラックをレイバック気味に直上する。小さめのカムを二つほどとると、クラックが閉じて右側壁は右に流れて台状になったあと消えていく。

 その台状に立つことができれば、次のピンにクリップできるのだが、ここが超悪い。なぜなら砂だらけで、かつホールドが何もないからだ。おそらく数年間は誰も登っていないだろうこのルート。

 積もりに積もった砂を、シビアなジャミング態勢でははらいのけることもできず、しばらく悩んだ末に思い切って砂だらけの台状に立つ。砂でスリップしたら確実に変な態勢で落ちていくことになるだけに、非常に緊張する。

 恐る恐る、何とか次のピンにクリップ。

 その後は、一転してフェースクライミングに移行。砂岩に横に平行に走る小さいホールドを保持しつつ垂直のフェースを登っていく。

 クラックを抜けて2ピン目にクリップした後、細かいホールド地帯を脱出。そして上部の大きなガバホールドをつかみ、ホッと一息、と思っていたらその大きなガバホールドが突然もぎ取れた!

 あえなくフォールしてオンサイト失敗。。。砂岩恐るべし。いやあんなでかいホールドが欠けるなんて、想像もできませんがな。全くの不意落ちで、変な態勢で頭から落ちて壁にたたきつけられてしまった。Marwanも全く落ちることを想定してなくて、かなりの距離を落としてしまったらしい。

 気を取り直して、改めてフェース地帯を登り直して、何とか終了点へ。個人的には積もり積もった砂・砂・地帯が一番悪く感じたが、その後のフェースクライミングも悪くて、確かに7b位はありそうだ。

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            <4ピッチ目をフォローするMarwam>


5ピッチ目(7a) Marwanリード OS

 当初、ボルトに導かれるように大きく右に回り込んで、細かいカチホールドをつないで左上していくフェースルート。

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        <5ピッチ目をリードするMarwan>

 左上していく部分で、大きくハイステップする辺りが核心。

6ピッチ目(6b+) 私リード OS

 完全なるワイド・クラック。ワイドクラックとして完全に表記通りのグレード(5.10d)はありそう。



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 かなり楽しませてもらった。このピッチだけ取り出して、シングルピッチのワイドクラックとしても十分に堪能できるだろう。


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            <6ピッチ目をフォローするMarwan>


7ピッチ目(7a+) Marwanリード OS

 またしてもワイドチムニーっぽいワイド・クラック。しかもプロテクションが悪い。


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 このピッチでも、相当の時間と体力が削りとられる。Marwanが奮闘してOS。さすが!

8ピッチ目(6B+) 私リード OS

 細かいフェースを登っていくフェースルート

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 しかし、9ピッチ目を終えたところで、とうとう時間切れ。ワイドクラックが思った以上にたくさんあって、ここまでのピッチで多くの時間をかけすぎてしまった。
 まだ時間は16時過ぎだが、Wadi Rumの懸垂下降は必ずどっかがひっかかって登り返し等を強いられて時間がかかる。今日は壁の中でビバークはしたくないので、あと2ピッチを残して、降りることにする。

 また、次の機会があったらOSできなかった4ピッチ目を含めて、全て完登したいものだ。
  
Posted by straysoldier at 22:30Comments(0) Multi Pitch Climbing 

November 10, 2017

Ras Sabiq / Ajloun

 今日は、7月に行ったけど暑くて全然登れなかったRas Sabiqへ。

 11月に入り、ようやっと涼しくなってきたので、そろそろ登れるルートもあるだろう。

 パートナーはKentとPauline。

 到着してみると、日向はまだまだ暑いけど、日陰だったら何とか登れそうだ。

 まずは前回、暑過ぎて全く見向きもしなかった上部エリアへ。

 アップで「Al Zawiyah al Hamra(5b+)」をMOS。


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        <Al Zawiyah al Hamra(5b+) アップに最適な簡単ルート>


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        <Banasonic(6a+)にMOSトライするPaulina 結局登れなくて下りてきた。上部が結構悪いらしい。>


 続いて、「Shmel wella yamin(6c)」にトライ。MOS成功。

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          <Shmel wella yamin(6c)をMOSする私>

 Shmel wella yamin(6c)は、全般的にホールドが細かいテクニカル系のルート。

 更に終了点のハンガーが盗まれていてなくなっているので、自分で終了点を作成するなど、工夫して下降する必要がある。やや上級者向けかも。


 続いて下部エリアに移動。

 面白そうなラインの「Cooky Monster(7a)」にMOSトライ。
       

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          <Cooky Monster(7a)にMOSトライする私>

 30mと長いこのルート。下から見ていてハング部分が核心と思っていたら、ハングを超えた後の細かいカチ地帯で不覚にも落ちてしまった。MOS失敗。

 2便目でRP。


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 今日は出だしが遅かったのと、3人パーティかつ各ルートが30mと長く、登る効率が悪かったので、計4本で終了。

 Ras Sabiq、11月になれば十分に登れるということがわかりました(相変わらずゴートの糞が至る所にあって「快適」とは言い難いけど)

 Kent、Pauline、今日は付き合ってくれてありがとう。
  
Posted by straysoldier at 19:45Comments(0) Sport Climbing 

October 28, 2017

The Beauty / Jabal um Ejil

 今日はクラシックの名作、「The Beauty(6a、3P)」に挑戦。

 Beautyはグレードは低めながらも、写真で見るだけでも美しいフレークが長々と続く、登りがいのありそうなクラック。初心者を連れて行くには、ちょうど良さそうなマルチだ。

 BeautyはJubal um Ishrin山群内にあるので、Jubal um Ishirin東側に車で回り込み、Rakabat Canyonから徒歩でアプローチを開始する。


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              <Rakabat Canyon 入口>

 Canyonに入るまでは灼熱の炎天下を、砂漠に足をとられながらの30分ほどの歩行を強いられる。

 ヨルダンに来るにあたり、映画で「アラビアのロレンス」を見たが、30分ほどの歩行でも身体が干上がってしまう自分には、とても英軍将校のロレンスのような活躍はできそうもない。


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 さて、Rakabat Canyonに入ってしまえば日陰。そこからTopoに従ってRakabat Canyon内を延々と歩行。

 1時間ほど歩いてどうやらBeautyのありそうなとこら辺にたどり着いたのだが、Topo(Tony Howardの「Trek and Climbs in Jordan」)の図がとても適当なので、いまいち場所がよくわからない。

 仕方なく、(おそらく違うのだが)一回Kharazali Canyonに降りて、もっと奥を探してみよう、ということでラペルダウン。



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 そして、Canyon内を延々と2時間ほど探してみるも、目当てのBeautyは見つからない。。。


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        <探し回っているうちに見つけた幻想的な場所。Wadi RumのCanyon内には、こういった神秘的・幻想的な場所がいくつもあります>


 う~ん、どこ探しても見つからん、、、、と思って、あきらめかけて、天を仰いだその時、、!

 あっ、あった。うん、たぶん、あれだ。

 Jabel Um Ejil西側山頂部にくっつくように張り付いた岩頭。その西側にきれいなクラックが見える。
 以前、見たBeautyの写真と、何か似ている。

 おそらくあれに違いないだろうということで、ラペリングしたポイントを登り返し(はっきり言って、ここがBeauty以上に難しかった。おそらくクラックグレードで6Bから6B+くらいあります。)てRakabat Canyonに戻り、山頂目指して20分ほど3級程度の岩場を登ると、やっと取りつきに到着。


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        <というわけでやっとたどり着いたBeauty取りつき。傾斜は緩いが、きれいな長いクラックが岩頭を回り込むように続く>


 山頂にあったのね。。。TonyさんのTopoには、もうちょっと詳細かつ分かり易い描写を期待したいところだ。

 というわけで、何とか取りつきにたどり着いたが、もはやお昼の時間帯。さっさと準備を済ませて登攀開始。私がオールリード。

1P目(5級)OS
 傾斜の緩い大きなフレークをレイバックで豪快に登っていく。簡単なのでプロテクションは最小限で、スピード重視でガシガシ登る。終了点が見つからなかったので、カムで適当にピッチを切る。


2P目(6a)OS
 傾斜が強まったフレークを、これまたレイバックとジャムを織り交ぜながらガシガシ登る。フェース面にホールドは乏しく、休む場合には、身体をクラック内に入れてジャミングで身体をホールドする必要がある。簡単なグレードではあるが、プロテクションのセットにはジャミング技術が必要なので、全くの初心者がリードするのは避けた方が無難かも。


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             <2P目をリードする私>


 後半になると、クラックの幅が広がり、若干ワイドっぽくなる。


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             <2P目をフォローするPauline>

3P目(5級)OS
 これまた大フレークを同じ向きのレイバックで延々と登るルート。

 5級とは言え、結構長いクラックなので、レイバックを怖がってしまう人には、リードはできないかも。


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            <3P目をフォローするPauline>


 3P目終了。一応、この後も4~5級のピッチが続くのだが、簡単なのと時間がないのとで、割愛。

 Beauty、難しいマルチではないけど、そのクラックの美しさと発見の困難さ(?)で三ツ星をあげたいクラックでした。

 
 帰りに良く見てみたら、RumビレッジからBeautyの岩頭って良く見える。


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    <ビレッジから見えるJubal Um Ejil。中央にちょこんと乗っている岩頭がBeautyの岩頭>


 というわけで、実はビレッジからKharazali Canyonを抜けてBeautyに直接行く方が早いかも(ラペリングポイントの登り返しが、若干、難しいですが)。

 ラペリングポイントを抜けられる実力さえあるなら、ビレッジからのアプローチがお勧めです。車も要らないし。


 Pauline、今回は付き合ってくれて、ありがとう!
  
Posted by straysoldier at 23:00Comments(0)

October 27, 2017

L'autre Dimension / Nassarani

 今日はドイツ人のPaulinaとL’autre Dimension(6b、5P)にトライ。

 10月下旬だけど、日向ではまだまだ暑い。Lautre DimensionはNasarrani西壁にあるので、日陰にある午前中に速攻で勝負をかけることにする。

 PaulinaはJordanに来たばかりのGEZのインターン生。マルチの経験は少しあるみたいだが、Tradを登るのは初めてとのこと。当然、全てのピッチを私がリードすることにする。


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         <Nassarani西壁。正面にある大岩頭脇にあるクラックを登る。>


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            <左側の細いクラックがL’autre Dimension(6b、5P)>

 ビレッジからも良く見えるNassarani西壁。その中央にカッコよく切れ込んでいるクラックがL’autre Dimensionだ。

 ふもとから20分程度のアプローチで取りつきに到着。

1P目(3級)

 簡単な階段状のクラックをたどって岩頭取りつきへ。


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                <L’autre Dimension1P目>

2P目(6b、30m)


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                <L’autre Dimension2P目>


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          <L’autre Dimension2P目の核心部分。Wadi Rumにしては珍しくフェースにホールドが何もない、純粋なクラックが10mほど続く。>


 2P目は、予想だにしなかった純粋なコーナークラック。壁面にはホールドが皆無で、純粋なフィンガージャムの技術と確実なプロテクション技術が要求される。

 グレードも6bで適切。Wadi Rumの他のクラックのグレーディングは(フェースホールドが使えてしまうため)正直甘いと感じることもあったが、L’autre Dimensionに関しては、他のクラックとは全く異質なものと考えて良いだろう。十分、世界に通用するクラックだと思う。


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         <L’autre Dimension2P目をフォローするPaulina>


3P目(6b、30m)


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       <L’autre Dimension3P目。クラックのサイズが若干広がってシンハンド~ハンド位のサイズになるが、引き続き難しめのピッチが続く>

 3P目もなかなか秀逸なクラック。2P目ほどではないが、これもジャミングを駆使しなければ登れないクラック。

 Wadi Rumの他のクラックに比して、L’autre Dimensionのクラックは砂岩ぽくなく、登るには純粋なジャミング技術が要求される。非常に良いルートだ。


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         <L’autre Dimension3P目をフォローするPaulina>

4P目(6a)


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       <L’autre Dimension4P目。クラックの幅が更に広くなり簡単になる。>


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5P目(4級)

 テラスに出て終了。この先も3~4級のピッチが頂上まで続くが、午後になって日が照ってきたのと、登ってもあまり意味がなにのでこれにて終了。オールオンサイト。




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 同ルートを懸垂して終了。Paulina、お疲れ様でした!


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       <夜はNassarani西壁前に即席のキャンプサイトを作ってキャンプ>

  
Posted by straysoldier at 23:00Comments(0)